2004-05-01から1ヶ月間の記事一覧

歯欠け男@『脱出』(ジョン・ブアマン監督)

オレがこの世で最も珍重する映画作家ジョン・ブアマンの世評名高い問題作にして、70年代アメリカ映画の最重要作のひとつ(<断言)。本日、テレビ東京でありがたくも再放映。*1 野生児気取りの男ルイス(バート・レイノルズ)に連れられ、ダムの底に沈む渓流…

涙のリクエスト。

↓下のコメント欄参照。 現代版“眠れる美女”の「奇妙な味」な物語 『トーク・トゥ・ハー』 03年度アカデミー脚本賞を受賞したスペインの鬼才ペドロ・アルモドバルの最新作。昏睡状態に陥るバレリーナと闘牛士のふたりの美女と、彼女らを見守る看護士と作家の…

かみそり半蔵@「新・御用牙」中巻・登鮫編『九起の清兵衛』より

「盗人を働くこともはりつけにかけられることも地獄じゃねぇ!! 自分自身と闘うことが地獄なんでえッ!! 裏切られようと嘘をつかれようと、だまされようと足蹴さりょうとゴミの中を這いずりまわるような、みじめな暮らしをしようともだッ。自分というものをし…

漁り犬。

昼過ぎ、散髪のため早稲田へ。予約まで時間があったので高田馬場のDISC FANとタイムに行き、以下をゲッツ。 ●スティーヴィー・レイ・ヴォーン「マーティン・スコセッシのブルース」(735円、※サンプル盤) ●ケイト・ブッシュ「ドリーミング」「ケイト…

パーカー@「悪党パーカー/殺戮の月」(リチャード・スターク作)

隠し金のある街に相棒の“俳優強盗”グロフィールドと舞い戻ったパーカー。ところが、金は消えていた。街の組織につながる何者かが金を横取りしたのだ。犯人は組織と結託する汚職刑事とその一味だった。ふたりは金を奪い返す算段をつけるが、手違いでグロフィ…

小津安二郎「監督 小津安二郎」厚田雄春氏インタビューより

蓮實重彦の名著(ちくま学芸文庫)、290ページより。以下、当該箇所の書き抜き。*1 (略)俳優でも僕等でも、「お前なんか旨くなくってもいい」と、「旨くなくってもいいから、そのすべてに熱を持て」ということをよく言われましたね。一所懸命にやりなさい…

水元公園、亀有

“浪人”暮らしの気軽さゆえ、昼過ぎから釣りに出かける。高円寺の上州屋で安手の投げ竿とスピナーベイト&ジグ(念のためバス釣りもできるよう)を買ってから、金町へ。池袋で乗り換えで降りた際、構内の古本コーナーでハイスミス「アメリカの友人」(200円)…

本日付、オレ的司馬遼太郎ベストテン。

<長編・連作集>※主な登場人物 1.「項羽と劉邦」(上・中・下、新潮文庫)※項羽、劉邦項羽と劉邦(上) (新潮文庫)作者: 司馬遼太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1984/09/27メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 50回この商品を含むブログ (79件) を見る…

司馬遼太郎「斬ってはみたが」

「人間の現象は、おもわぬ要素が入りくみあって、瞬間という作品をつくる」 国民的歴史小説家、司馬遼太郎の短編の一節から(「アームストロング砲」講談社文庫所収)。幕末の剣士、上田馬之助の奇妙なる肖像を綴った一作。 何を隠そう、司馬遼センセイこそ…

梅安ッ! てめえ、飲み喰いしとるだけやないけ!

無聊を慰めるべく、最近は文庫本なぞ拾い読み。実はここ数年、よほどじゃないと小説を読むのは気鬱だったのだが、読みやすい時代小説あたりからリハビリモードに入った次第。相変わらず、何ページか読むとすぐに眠くなるんだが(笑) 笹沢左歩「帰って来た紋…

ジェームズ・コバーン『夕陽のギャングたち』(セルジオ・レオーネ監督)

マカロニ大明神セルジオ・レオーネのいわゆる“アメリカ”三部作の中核を為す究極の男泣き映画。コバーンが要所要所で吐く、キメ台詞(英語では「Duck Your Sucker !」、イタリア語では「ジウ・ラ・テ〜スタ、コリオ〜ネ」)が題名になってるってのがニクい。…

若山富三郎『番場の忠太郎』(中川信夫監督)

若山富三郎、新東宝時代の作品。御存知、長谷川伸原作、涙ナミダの股旅もの「瞼の母」。銀幕デビューした55年製作、若富さんも当時26歳、若いわかい。後年の大名優もまだ腰が据わってない感じで、演技も新鮮に見え。抜いた刀の鞘へのおさめ方だけは『子連れ…

魂の栄養補給に、フジヤ・エービック!

夕刻、払い込み等所用を済ませたのち、いそいそ中野へ。本日は以下をゲッツ。 ●ジェネシス「ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ(眩惑のブロードウェイ)」(2,780円、紙ジャケ、未開封) ●ダイアー・ストレイツ「コミュニケ」(1,180円、リマ…

若山富三郎『桜の代紋』(三隅研次監督)

くわえタバコで肩揺すらせてノッシノッシ、相棒のおやっさん(小林昭二)と歩道橋を降り、パチンコ屋前を行きすぎるワカトミ。すると、横合いから飛び出してきたチンピラ4人組が、いきなり「肩が当たった」と因縁つける。 「おぅッ、おっさん! 人にぶちあ…

『スクール・オブ・ロック』、ふたたび。

プレートテクトニクスさん@はてなで、ようやく得心がいくコメントを拝読できました。 個人的には、バンドメンバーを選びだすシーンで、これぞ中坊ロック!(笑)てな具合のおなじみのフレーズをいちいち弾かせるシーンが特にツボに入りまして。あのへんはジ…

カンヌ映画祭男優賞最年少受賞の報を受け、柳楽優弥君の両親の発言(ソースは『JNNニュースバード』より)

わが子の演技に対する予想外の世界的評価に、「こんな子供が受賞するなんて!」と両親が思わず漏らしたという発言から。 いやいや、どうかなっちゃって下さい、マジ! これを契機に、心ある役者も映画人もどんどん海外進出を本格化すべし。日本の狭〜いギョ…

カンヌ授賞式結果なぞ。

カンヌ映画祭閉会式終了。受賞結果は以下などで。オレの予想はマギー・チャンだけしか当たりませんですた。むぅ。 http://www.asahi.com/culture/update/0523/001.html パルム・ドール:マイケル・ムーア『華氏911』(アメリカ) グランプリ:『OLD BO…

マイケル・ムーア:2003年3月、第75回アカデミー授賞式スピーチより

祝『華氏911』パルム・ドール受賞! でっぷりデカデカ体型に過激な言動等、アクの強さで売るムーア。昨年、『ボウリング・フォー・コロンバイン』公開時、「米国版『電波少年』」なんて宣伝文句がやたら使われていたが、冗談言っちゃいけねぇ。あの日本テ…

ジャン=リュック・ゴダール『カンヌ映画祭の50年:1』(ムービープラス放映)より

…映画祭なんて浮かれたマネしやがって! ブーブー!」 1968年、動乱のフランス。カンヌ映画祭に同志フランソワ・トリュフォーらと乗り込んだゴダールが壇上でカマしたアジ演説から。さすがは映画革命家、やること言うこといちいち絵にならぁ。まさに時代の寵…

カンヌ映画祭についてとか。

ちょっと反応するのが遅れたが、5月18日付朝日新聞<ニュースがわかる>欄で「世界の映画祭 往年の輝き戻る日本勢」なんて記事が。カンヌ映画祭に『イノセンス』『誰も知らない』等が出品の報を受け、「現在の日本映画界の活躍を見ていると、50年代の輝きが…

緒方拳『狼よ落日を斬れ 風雲篇・激情篇・怒濤篇』

幕末維新の動乱期、剣に生き剣に死んだ実在の“ラスト・サムライ”3人−中村半次郎(緒方拳)・伊庭八郎(近藤正臣)・沖田総司(西郷輝彦)の生きざまを、ひとりの架空の剣士・杉虎之助(高橋英樹)の目を通して描く大河ロマン。 昨夕、WOWOWで放映。未…

ボブ・ペック『刑事ロニー・クレイブン』

かつてNHKで放映され、カルト化したBBC制作のTVミニシリーズより。ビデオでは2巻組、307分、5時間を超す社会派サスペンス巨編。 その後、NHKでも再放映されていない模様だし、ポニーキャニオンから“観ないで死ねるか”とタイトルよりもでっかい…

フランキー堺『幕末太陽伝』(川島雄三監督)

ボンクラがナニを付け足すまでもありますめぇ、おそらくは邦画界最高の才気を誇った異才中の異才、川島雄三の代名詞的傑作。見てない人は幸せだ、今すぐにでもビデオ屋に走りなせぇ。まぁ、オレ個人的には『しとやかな獣』が一番好きなんでげすが。ガイド本…

無断盗用は犯罪です。

2013/04/30追記:すでに下記でもリンクを晒したが、上記の記事を盗用した者は早々に名乗り出よ。 パクリ野郎の『PARKER/パーカー』の記事→http://bit.ly/ZF5OAU esp *1* 11 性別:男性 血液型:A型 自己紹介:シネマ・コミュニケーター、映画ライター ブラ…

「悪党パーカー」シリーズ

午前5時。街はまだ明けきっていない。やせこけた野良犬が一匹、残飯をあさって路地をうろついていた。建物と建物の間の薄暗い路地には、野良犬以外にいきものの気配はなかった。 背の高い男が、長い大きな手をだらりと両脇にたらし、不自然な姿勢で、壁にも…

今日もゲッツ!

夕刻、買い物に新宿へ。タワレコで「ミュージック・マガジン」「レコード・コレクターズ」最新号を買う。 もひとつ、キーラの看板男のソロが出ていたので、試聴して即買い。アイルランドの手持ち太鼓・バウロンひとつで変幻自在/八方無尽の音世界を創造。ほ…

『悪党パーカー』映画オールナイト!

“犯罪機械にして野獣”……ピカレスク・ロマン最高峰! 『悪党パーカー』シリーズ映画版、一挙上映 1.『殺しの分け前 ポイント・ブランク』(67年)監督:ジョン・ブアマン/出演:リー・マーヴィン、アンジー・ディッキンソン、キーナン・ウィン、ジョン・ヴ…

やぁやぁやぁ、ここで会ったが百年目…古今東西、自選チャンバラセレクション!

1.『座頭市 千両首』池広一夫/主演:勝新太郎、若山富三郎 2.『薄桜記』森一生/脚本:伊藤大輔/主演:市川雷蔵、勝新太郎 3『宮本武蔵 一乗寺の決斗』内田吐夢/主演:中村錦之助 4『大殺陣』工藤栄一/主演:里見浩太郎 5.『十兵衛暗殺剣』倉田準二…

大木実『子連れ狼 三途の川の乳母車』

「わしの首が、哭いてるように聞こえる…首袈裟に斬った斬り口が、木枯らしのように鳴るのを虎落笛(もがりぶえ)と言うそうな。いつか、そんな音が出るよう斬ってみたいと思ってはいたが、おのれの首で聞こうとは……笑止!」 ばたッ(倒れる)、どばーッぶし…

TVがオレの名画座だった・第7回:1986〜

<エスピオナージュ> 1.『殺しのダンディー』アンソニー・マン/主演:ローレンス・ハーヴェイ 2.『テレフォン』ドン・シーゲル/主演:チャールズ・ブロンソン、リー・レミック 3.『クレムリン・レター』ジョン・ヒューストン/出演:パトリック・オニ…