『スクール・オブ・ロック』、ふたたび。

プレートテクトニクスさん@はてなで、ようやく得心がいくコメントを拝読できました。
個人的には、バンドメンバーを選びだすシーンで、これぞ中坊ロック!(笑)てな具合のおなじみのフレーズをいちいち弾かせるシーンが特にツボに入りまして。あのへんはジャック・ブラックならではの名演あってのモノなんだろうけど、音楽コンサルタントジム・オルークも特に入念にリハーサルしたんじゃないかとか、舞台裏をいろいろ想像するのも楽しかったり。オルークが普段どんな感じでレコーディングしてるかとかよく把握してませんけど、基本はあんな感じで、一楽器一楽器の音の重なりを大事にして録音に臨んでいるんじゃないかとか、妄想が広がるわけですよ。


でも、結局のところ、作品全体として、ロックのライヴで味わえるような、「底抜け」の痛快感、イッちゃうハイテンションにまでは残念ながら達してない、とは言えるでしょう。ジャック・ブラックの天然ロックンロール・ガイなノリに、おりこうさんの生徒たちはじめ周囲がついていけてない、というのは、やはり見ていて厳しい。ファレリー兄弟のやりすぎ&悪ノリモードまでいかずとも、ワイツ兄弟(『アバウト・ア・ボーイ』)のイケイケモードくらいのノリは欲しかった、という感じなのかな。そのへん、やっぱ監督リチャード・リンクレイターという男の、しょせんリクツ先行、ハートで勝負できない映画作家ゆえの限界という気もしたりするんですわ。
ま、個人的には、そういう意味での物足りなさも含めて気に入ってたりするんですけどね。ガリ勉で気弱なニィちゃんネェちゃんでも、やっぱりロックの魅力の前には、頭より先にカラダが反応しちゃう! なんてな、希望(?)を感じさせるシャシンではあるんじゃないかと。ロックっていうからにゃ、最後はコブシふりあげヘッドバンキング! じゃなきゃホントはイカンとは思うけど、全ての人にそれを求めるのは酷ではあるし。とどのつまり、万人向けロック入門編映画として楽しむべき作品ってコトでよろしいんじゃないですかね。そういう意味なら、オレ的には「名作」と呼んであげたいですな。