ニック・ホーンビィ「ハイ・フィデリティ」(新潮文庫、森田義信・訳)

4102202110.09.LZZZZZZZ.jpg

ジョン・キューザック主演、スティーヴン・フリアーズ監督の映画版(2000年)のほうが有名になった観があるが、ぜひ原作を一読あれ。音楽マニア、CDコレクターな貴兄なら、「こりゃ、徹頭徹尾オレのコトだ!」と読みつつ絶叫せずにはいられまい。
つうか、しょせん小説、自分自身とは一切関係なし、なんて冷めた気分で読むとつまんない内容かもしれないけどね。そういう冷静すぎる読者、オレは苦手ですが、なんて(笑)
ネタバレになるので上記の場面の解説はあえて避けるが、映画版では上記のセリフの後、小説よりもさらに明確なメッセージがこめられた言葉が聞ける。それは以下のとおり。

「幻想には疲れた。現実じゃないんだから」

オレにとって、人生観を違うベクトルへ変換してくれた、おそらく一生忘れ難い小説である。どうしようもなく通俗ですよ。高尚じゃないですよ。しょせんレコードしか信じられないバカなボンクラヲタのしょうもない半自伝です。でも、だからこそ、オレのハートにビンビン響くんだな。
オレが小難しい文字だけ並べながら実は単純なコトを複雑に云ってるだけの評論だの、奇ッ怪至極な背景設定だの細密画のごとき描写だの「表層」ばかり意匠を凝らした小説が読めなくなって、一挙に読書量が落ちたのは本作を読んで以来のコトかも。
先のセリフじゃないけどさ、オレも幻想だの虚構だのを追っかけるのには、正直いって疲れちまった。手で触れられる、肌で感じられる「現実」を追うほうが、ずっと刺激的ではあるってワケなのさ。
ところで、映画版でヒロイン、ローラ役を演じた女優さん、近年ではすごくイイ素材なんだけど、名前がなかなか覚えられないのが難点。
イーベン・ヤイレ(Iben Hjejle)。IMDbによれば「EE-ben YI-luh」と発音、と書いてあるが、どうやって読めっつぅねん(笑)デンマークの女優さんで、『ミフネ』(98)にも出ててオレはそっちで初めて知った。レイチェル・ワイズと同い年、つうことはオレより1学年上の先輩女子。オレ、実は年下好きなんですけど、1歳上くらいならイイねぇ、燃えるねぇ。こんなヒトと一緒に暮らしたいよ、マジ。
写真は1枚だけこっちに貼ってみましたので興味ある方はどうぞ。プロフィールも調べて書こうと思ったけど、面倒くさいのでやめた。
http://d.hatena.ne.jp/hibiky/19710322