南部十四郎憲兵大尉「ケンペーくん」(作・ならやたかし、幻冬舎アウトロー文庫)

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バブルに浮かれた昭和末期から平成の御代、浮かれる世相に背を向けて、ひっそりと、しかし熱すぎる雄叫び込めて描かれた激ヤバ系カルトマンガより。
不良暴走族チーマーコギャルスーパーフリー軟派セイガクサーファー等々、(ならや氏が気に入らない)神国日本を汚す若きアホバカ犬畜生どもを、戦中の闇から甦りし南部十四郎憲兵大尉こと<ケンペーくん>が、軍刀一閃拳銃乱射、特攻爆撃いざ逝かん嗚呼大君の辺に死なめとばかり、斬った撃ったと大殺戮で「世直し」まくり、てな痛快無類……いや、とにかくハチャメチャ良識無視、悪趣味超えた荒唐無稽トンデモマンガ。ハッキリ云って、教育上も思想上もよろしくないです。でも、たまに読んじゃうとツボに入るコトもあって困っちゃうんだな、コレが。
ちなみに、ならやたかしとは、官能小説家・睦月影郎氏の本名。オレ、睦月センセイの小説は読んだことないけど、面白いんでしょうか? ツバフェチとかけっこうエグい趣味が出てきそうで戦々兢々なんだけど。
睦月センセイのホームページでは、はや初老の身ながらも日夜いまだオナニーしては猥想掻き立てて執筆にいそしみ、軍歌愛好家や唐沢俊一センセイらユニークなお仲間との付き合いも欠かさず飲み喰いする健啖ぶりを発揮、で、たまに美女呼んで実戦もしっかりお愉しみ……なんて多事多忙な日々の記録がしこしこと書き留められています。数年前、稼いだ原稿料で自宅を喫茶店に改装したそうですが、行った方おいでですか? ちょっと試しに覗いてみたかったりもするんですけど、ヤバかったりするのかな?
どうでもいいけど、サブキャラのケンペーくんの上官の本郷義明大佐ってのがまた破天荒つうか激ヤバ老師キャラ。バカな若僧は仕込み杖一閃、ずびずぱッばしゅッ、首チョンパてな具合。

「せめて来世は人の役に立つ牛か馬に生まれ変われよ」

さすが小説家だけあって、絵のセンスはともかく、セリフは凝ってるなと。もちろん、凝る方向性が正しいかどうかはかなり疑問なワケだが。