『新しいドイツの文学』シリーズ<12>ペーター・ハントケ/元吉瑞枝訳(同学社)

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先月、結婚する友人の引っ越し手伝いに行った。
新婚の友人宅の書棚で、この名タイトルを見つけた。
箱詰めのため、本を手にしたオレに、友人の奥さんは、
「いいタイトルですよねぇ! それ、大好きなんですぅ、わたし!」
ニコニコしていた。
……けっこうヤバい題名なのに、そんなニコニコしてていいのか!? と一瞬思ったが、ま、いいんだろう。夫婦そろって価値観が同じというのはよいことだ<安易な推論


ペーター・ハントケは監督ヴィム・ヴェンダースの若き日以来の畏友としても知られるドイツの作家(1942〜)。ヴェンダースの監督作『ゴールキーパーの不安』(72)『まわり道』(75)『ベルリン天使の詩』(87)の脚本を手掛けたほか、ヴェンダースの製作で監督作『左利きの女』(77)『L' Absence』(95)も発表。前者は小津安二郎の作品世界の影響色濃い、ユニークな佳品。
文学はおろか、貧読のオレですが、タイトルには一見以来、惚れました。いずれ読もうと思います。