ダチからの電話。

昨夜、中学高校と毎朝一緒に通学した仲のダチから今年初めての電話がかかってきた。
「いやぁ、義明逮捕や。嬉しいやろ?」
よしあき? 誰や? 
堤義明!」
ああ、そや、そやったなぁ。オレは学生生活5年間は西武新宿線沿線住民やった。あんなクソ悪徳資本家をもうけさせとるかと思うと、ハラワタ煮えくりかえってたわ。たしかに。
「いや〜、誰かとこの喜びを分け合いたくてな〜電話してしもたわ」
はぁ。なるほど。
(最近のオレはこういういかにもネタっぽい会話をいきなりできるモードにない。先方は一杯酒やって御機嫌で電話してきたらしいが、オレはそのとき、ちょうど「悪党パーカー/電子の要塞」を読みかけで、気もそぞろだった)
「それはそうと、映画見てるか〜? 文章書いてるか〜?」
いやぁ、今はとてもとても、そんな気分とちゃうな。第一、そんな余裕がない。今やってる仕事をまっとうに覚えるだけで手一杯や。
「ブランクができるとヤバいで〜」
今は積極的に新作映画を見たいとも思わんし、何か文章を書いてゼニを稼ぎたい、なんてモチベーションが全然湧かへんのや。
「そーかー、そんなモンかもしれやんな〜。余裕つうか、余暇があらへんと、なかなか趣味にも走れへんもんな」
……そんな他愛もない会話だった。他愛はないが、今のオレにはちっとばかり、痛ァいネタふんだんでもあったな。