トニー・ケンリック「バーニーよ銃をとれ」(角川文庫、上田公子訳)

「自分が何を買おうとしているかわかってんだろうな? あんたは生煮えの教育を買おうとしているんだ」
「違う」とバーニーは言ってドアの方へ歩き出した。
「私が買いたいのは保証。それだけだ」

ひょんなことで南米の元独裁者のスイス銀行隠し預金をせしめてしまい、殺し屋に狙われた平凡リーマントリオ。彼らは自らの命を守るため、海千山千の鬼軍曹にサバイバル術を即席で学び、殺し屋どもの襲撃を迎え撃つが…。
コレ、映画化されてもイイ小説だと思うんだが、たしか映像化はされてなかったような。
ヘタレなアマチュアどもが思いがけず奮戦し、プロの鼻を明かすという話は大好物。映画だとサム・ペキンパーの『わらの犬』のシチュエーションですな。昔、CBCの深夜に見たきりのボー・スヴェンソン主演の『ブレーキング・ポイント』もそんな映画だった。日曜洋画劇場で放映された『真夜中の処刑ゲーム』(ビデオ題『包囲戦』)な無名俳優だらけのカナダ映画も最高だった。美人教師(レイチェル・ウォードだったかな?)が林間学校先でならず者に狙われ、生徒ともども逆襲にうって出て、最後は悪党どもの標本一丁あがり! なんてとんでもないオーストラリア映画もあった。なんだ、みんな深夜にテレビで見た映画ばかりじゃないか。こういう映画は吹替で見てナンボだよね!