この母にして、この息子あり。

徹カラから帰って眠ったが、なぜか3時間くらいで起きてしまう。すると、まるで見ていたかのように田舎のオカンから電話。ぬしゃ、テレパスかいッ!
「いやぁ、こないだあんたに録ってもぅたシベールの日曜日、すごかったわぁ。見終ると、どーんと落ち込んでもぅて、しばらく無気力になるけどな」
日曜なんで朝っぱらからビデオを見たのかどうか、感動して家事も手に付かなくなったので、午前中から電話してきたらしい。
「あたし、コレ高校生の時に四日市の三重劇ゆうトコで見たんやわぁ。なつかしいわぁ。でもな、アレ、終わり方がよぅわからんのよ。昔見た時もわからんだんやけど、どういうコトやったん?」
ンなこと、寝起きの息子に質問するなってーの(笑)。
「ああ、アレはなぁ、昔、NHKの<ドラマ人間模様>で井川比佐志主演でやっとった、灰谷健次郎原作の『太陽の子・てだのふあ』ってのと、ちょっと共通するネタなんやわさ。要するに、戦争が生んだ残酷な悲劇ってヤツやな……」
オレもオレ、意味不明な説明の仕方で水野ハルヲばりにムリムリ解説に挑むが、そこは母と息子、言葉足りずとも、なんとなしに理解しあえます。
「そぅかぁ〜、なるほどなぁ。なんや、雰囲気からして寒々しい映画やったわ。監督、北欧の人なん? あ、ちゃうの?
そういやあたし、一緒に録ってもろた、ソ連のな、『誓いの休暇』ってのも良かったわぁ。兵隊が休暇もらって戦場から恋人に会いに行くって話な。アレは妹の由美子*1が好きでなぁ……」
おぃおぃ、そんな今やったらシネフィルでも見てへんかもしれん映画見てたんかい、オカン!
「あたしのとっておき映画ベスト3は、シベールの日曜日』『誓いの休暇』、そいからカトリーヌ・ドヌーヴ『昼顔』やな」
……うぉッ、なんちゅうカッコええセレクションや! マジっすか(絶句)そこらのエセ評論家どもより、映画の趣味エエんとちゃうか、ウチのオカン?
『プロフェッショナル』ってのもオモロかったでぇ。バート・ランカスターリー・マーヴィン、男くさいスターが仲間4人くらいだけで、地主の奥さん救け出しに行くんよ。最近はああいう昔ながらの格好よくて渋い俳優さん、おらんようになったな。あ、でも、最近やと、『シービスケット』! 馬のエーガ。あれはよかったわぁ」
参りました。オカンには勝てません。
「そらそうと、ちゃんと仕事探してるか? のそのそしとらんと、しゃきッと定職ついて、ガンバらなあかへんでぇ……」


身体がどうにも重かったので外出はせず、夕刻まで音楽を聴きつつ、作業など。夕食は近所のロボット工学博士で会社やってる同級生とトンカツ屋へ。警察からもらってきてくれたという運転マナーのパンフレットと、なぜか「ピアノ・ソングス」のCD-Rをいただく。心ある方々に何とか見守られ、不肖ボンクラ、どっこい生きさせてもらっておりやす!

*1:オレが今もちょくちょく世話になってる浦和のおばちゃん。