『座頭市物語』第9話「二人座頭市」

植木等!!登場。C調だけじゃない、こんなペーソスあふれる役もやってたんです、という何気に名作という印象。今をときめく香川照之の母上・浜木綿子サマまで出るってな豪華すぎ。勝新太郎が演出した3作目(シリーズ中)。

原作:子母沢寛
脚本:高橋二三
監督:勝新太郎
音楽:富田勲
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
市松:植木等
おけい:浜木綿子
天神下の升五郎:遠藤太津朗
代貸武平:国一太郎
女中:高木峯子
自首女:朝永桐子
ほか

アップショットの連続でこれだけ保たせるってのは、役者と演出、どちらの力量もとんでもなかったってことでは。この作品に関してはあまり即興的なものを感じないが、あるいはスケジュールもあって、カツシンとしてはやりたいことがやれなかったの回なのかも…などと憶測もできるくらい、単体時代劇としての完成度の高さ以上のプラスαが望めてしまうのがカツシン座頭市の凄いトコ。成功してるかどうかはともかくとして、試みとしては今見ても古びない面白いことに挑んでいたんだとカツシン、もとい確信wする。
今日を含めて3回くらい見直してるが、植木等のズッコケ按摩ぶりに爆笑しきり。ひとつ間違うと差別的ギャグと批判されてしまうかもだが、そこは植木さん、持ち前の明るさを発揮して一挙一動、悪びても恥じてもいないからキモチよく眺めていられる。それでいて何とも言えないわびしさまで感じさせるから、何気に巧い人だったんだなぁ、と。浜さんの声と目つきは凄艶の一言だし、名傍役エンタツさんの親分も憎めない。これらを引き出したカツシンの才気に改めてシビれる。