アンディ・サマーズ@目黒キーストンコーナー(1991年?)

“Be Quiet. Don't Disturb Music.”

思えばコレもバブルの恩恵だったのか? 目黒にあったどうにもちっこい、こじゃれたライヴ・バー(?)になぜかやってきたポリスの元ギタリスト、アンディ・サマーズ。ライヴ前、挨拶もそこそこに、のっけからカマした台詞がコレ。言い捨てるや不気味な笑みを浮かべ、その後はM.C.もほとんどやらず、淡々と曲を真面目くさって演奏するだけ、そっけないことかぎりなかった。英国人ならではのジョークだったのか? いや、おそらく、あれほどの一流ミュージシャンであるにもかかわらず、キャパの小さいハコでやらされたのが不愉快だったンだろうと今となっては推測。
アルバムでいうとたしか「チャーミング・スネイクス」発表後だった。インナースリーブか何かにも出てた蛇皮模様のギターを見せびらかして、「コレ、オレのお手製。どうだい、いいだろ、え?」なんて自慢してたり。で、最後に「何かリクエスト、あるか?」と告げるも、客席から反応がないのを見て、憮然というより、さみしげな顔をしてた。
全曲ベース&ドラムと彼のギターのみのインスト。オレはアンディの珍しいボーカル曲「Love Is The Strange Way」を聴きたかったのだが、、勇気がなく、最後にリクエストできなかったコトだけがいまだに悔やまれる。
2セットやったんだが、2回とも完全に同じ曲を無難にこなして、そそくさと立ち去っていった。客は全部で20人もいなかったように記憶する。場違いな酔漢がいたりはしなかったし、いま思うとかなりのマニアが集っていたと思うが、違ったんだろうか? オレ自身はただの物好きな若僧でしかなかったのだが。
同じ年だったかに来日したスティングは武道館満杯でノリノリだったというのに、えらい違いだった*1
この年の2、3年後、渋谷公会堂かどこかで再度アンディ・サマーズのライヴの告知が出たが、残念ながらこれは中止になった。94年にブルーノート東京に来たりしたらしいが、詳細は知らない。
アルバムはいまも断続的に出続けているけど、年々、内容的に正直あんまり面白くなくなってる気配も。もう還暦過ぎなんだよな、アンディって。オレのオトンと同い年だよ。オレが見たときすでに50近かったわけだが、年のワリにはまぁ若く見えたかも。170センチくらいと思ってたより随分小柄ながら、いかにも一筋縄ではいかなげな、中身にナニが詰まってるやら得体の知れぬうっそりしたたたずまい、いまだに目に浮かぶ。

Charming Snakes

Charming Snakes



*1:この公演では翌日だかに風邪か何かでスティングがぶっ倒れて、後日の公演が一部キャンセルになったと記憶する。