松重豊『地獄の警備員』(黒沢清監督)

筒井康隆モダンホラー傑作短編『走る取的』の映像化に、黒沢清が果敢に挑んだ一作(といった具合に本人が発言)より。コレでいっぺんに松重豊さんのファンになりますた。まぁ、低予算映画ならではのチープさがモロに伝わってくるし、その割にゃ妙に気負いがこもりすぎたつくりもあって、万人向けじゃ決してないけど、『カリスマ』みたく結局のところ一部シネフィルしか評価し得ない気取ったシャシン*1よりは、オレはホラーに賭ける思いみたいなのがストレートに伝わってくるこちらを推したい。黒沢清さんってハスに構えたインテリ向け映画撮るよりも、『CURE』や『回路』みたく、本気で怖いホラー量産に挑んで欲しいと個人的には願う。


*1:と、オレは確言できる。8ミリ映画時代にやってたことの縮小再生産のようなアプローチよりも、例えば『ドッペルゲンガー』みたく、本人とは異なる資質の新世代作家と組んだりすることで新境地の可能性を垣間見せるくらいの結果を見せてほしい、と。