ロバート・フリップ(キング・クリムゾン)

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虚飾に彩られた、キング・クリムゾン暗黒の歴史! いまその一頁が明かされる!

……ある日、ビルは車で出かけたところ、道に迷ってしまいました。いつしか日が落ちてあたりはとっぷり暗くなり、途方に暮れながらしばらく車を走らせていると、一軒の家がありました。
「ほほう、こりゃあ助かった」
ビルは道を尋ねようと、車を停めました。庭に入り、ドアに近付くと、中から扉が開いて、男が出てきました。髭もじゃでメガネをかけた、いかにも神経質そうで、それでいてどこか抜け目なさそうな男です。油断がならないぞ、とビルは思わず、身構えました。
「あのう、道に迷ってしまいまして……」
男はビルを見ると、薄い唇を閉じたまま、笑みを浮かべて答えました。
「やぁ、ビル・ブルフォード。キミが来るのを待っていたよ。僕はロバート・フリップだ。キミは今日からキング・クリムゾンの一員だ」
落ち着き払った、抑揚のない声音。ビルは驚いて、声も出ませんでした。それがボブとの最初の出会いでした。その時ビルは、ボブとその後何十年も腐れ縁が続くとは、少しも予想していませんでした……

イングランド・ドーセット・ウィムボーン、ビル・ブルフォードmeetsロバート・フリップ
……おそるべきかな、プログレ伝説。伝聞を脚色しまくってますが、ロバート・フリップが甘言術策を弄して、ビル・ブルフォードを口説いたのは事実のようです。つくづく、偉大なる詐欺師よのぅ。