細野晴臣「恋は桃色」

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おまえの中で 雨が降れば
僕は傘を閉じて濡れていけるかな
雨の香り このペンキのくさみ
空は鼠色 恋は桃色

J-POPが誇る革新者にして哲人、細野晴臣はっぴいえんどキャラメル・ママティン・パン・アレー、そしてYMOと邦楽史に残る音楽集団に君臨し、80年代まで最先端を走り続けた才人中の才人。高校時代、キーボードを買ったことから親しくなったヤマハ楽器の店員さんは、オレがYMOのファンだというと、「細野さんは、神様だから」とオレの前で最敬礼してみせた。
学生時代までは正直、YMOでも教授こと坂本龍一ばかりに興味がいっていた。しかし、年々、細野さんの存在感は大きくなるばかりだった。ユキヒロ(高橋幸宏)はずっと親愛の対象で、あまり変わらないんだけど。正直、いまの3人は悠々自適な境地に入ってて音楽的に興味深い存在ではなくなっているが、それでも、細野さんが残した名曲の数々からは、年々、どんどん離れがたくなっている。ぶっとくハネる独特のベースと可笑しみあふれる飄々たるボーカル、何度聴いても古びることはない。歌詞のセンスも図抜けているよね、ホント。天才だわ。
あ、蛇足だけど文句を。「HOSONO HOUSE」のインナースリーブの「恋は桃色」の歌詞、誤植炸裂してるぞ? 歌詞もアーティストの魂、間違えたらイカンだろ? レコードには出版みたく校正が入らないせいかなぁ? ま、アルバム自体が音飛びしてるワケでもないし、致命的なミスってほどじゃないんだけどさ。4人だけで出してるとは思えない骨太な音、素晴らしいです。