ポルトガルVSイングランド

われ見たり、獅子どもの心!
ごくろうさまじゃったのう……
本雑記はただの欧州サッカーヲタなボンクラが書き散らす備忘録。ゆえに、試合の詳細な分析等は湯浅健二センセイのサイトなり、id:souno418さんあたりでお読みくださいませ。
嗚呼、今回もサッカーの神様は、「強きを助け、弱きをくじく」非情なる御業をなされしか<たけちゃんマンかよ! 
結果論かもしれぬが、「守りきるより、攻め続けるべし!」という命題を実行できたほうが勝ち抜けている本大会。今回も「賭け」に出たスコラーリが勝利し、「守り」に入ったエリクソンが敗れた。2002年日韓W杯の再現だ。あの時のブラジル監督に、イングランドイレブンは意趣返しすることができなかった。というより、エリクソンがまたも一泡ふかされた…と評すべきかもしれぬ。
ルーニーが足首の怪我で早期退場したのはたしかに痛かった。代役ヴァッセルも曲者なタレントだが、決定力と調子という点では見劣りする。
しかし、試合の主導権は多くは「受け」に回っていたとはいえ、イングランドが握っていた。アルゼンチン、フランスの波状攻撃を跳ね返した分厚いディフェンスはいまや最強ではないか? 守護神リオ・ファーディナントがいないのに、ココまでやってのけるとは意外だった。あるいは、それは今大会最弱GKジェームズにうっかり仕事なぞさせては一大事! とイレブンに強迫観念が働いていたゆえかもしれぬ(苦笑)
個人的に敗因はエリクソンが、追い込まれた際の攻撃の切り札をキッチリ用意していなかったからではないか、と愚考する。いまだ代表では爆発せぬ天才攻撃MFスコールズが今回も不調だったゆえ、フィリップ・ネヴィルを投入、イエローをもらったジェラードに代え、ハーグリーヴズを入れて守備をさらに厚くした。
そこまではいい。
なぜ、トップ下のタレントとして、ジョー・コールを投入するプランを一度も試さなかったのか? まぁ、チェルシーでもランパードとの兼ね合いかどうか、起用されることはなかったし、冒険する気にはなれなかったのかもしれない。
要するに、決定的な場面で「踏み切れなかった」のだ。それゆえに、これだけは言える。現在のイレブン以外で、攻撃のバリエーションをつくろうとしてなかったのは、エリクソンの責任であろう、と。
もちろん、現在のイレブンだけでも、おそらくルーニーが怪我せず、2得点でも稼げていれば、ファイナル進出は夢ではなかったと思う。しかし、フタを開けてみれば、守備偏重で、攻撃の決め手に欠けていた、というか、用意できていなかった。
攻め続けるより、守りきるほうが難しい。結局、大会前から懸念されていた決定力不足ゆえ、ココで敗れ去ったのだろう。


ポルトガルは気負いが先走って、不用意なミドルシュートばかり後半途中まで打っていたのが、シモン、ルイ・コスタの連続投入で一転、着実にエリア内で勝負できるようになった。やはり、局面を打開する攻め手を見つけだしたほうに、勝利の女神は微笑むということか……。
PK戦は心臓に悪い。医学データでも検証済みだ。こういうもつれたゲームは体に悪いからやめてくれ。もうどこが勝とうといいから、とにかく、キッチリ勝ちきってくれ。いま、云いたいことはそれだけだ。