広尾、元麻布周辺

ほんわかした陽気になったのでお出かけ。新宿に出て、ヨドバシカメラでフィルムを買い、久々に「桂花」でターロー麺を食す。マニアでもナンでもないが、ラーメンというとコレ一本槍。時間と店によって微妙に味が違うような気もするが、ま、それも良し。
フィルムを買ったのはただの惰性な習慣。実は最近バカ歩きしていても滅多に写真撮影しなくなった。別にロケハンしているつもりはないし、歩くコトそれ自体に専念しているからだが、今後はデジタルカメラでも買って、ホームページ*1でも作成すべきかもしれぬ。
迷ったのだが、JRではなく大江戸線経由、六本木乗り換えで日比谷線広尾駅へ。西口方面だと都庁前までいったん出ないといけないのを忘れて舌打ち。六本木ヒルズができてから、以前はガラガラだった車内も妙に活気が出てきた。正直、うざったいんだが。
広尾で降りるのは実は2回めかも。周辺は大使館集結地帯なんで、外国人が多い。通りすがりのカップルのネェちゃんが「外人、多いね!」って外人さんの横ででかい声で話していたのに苦笑したが、オレも同じコトを思ったわけなんで笑えない。
今回も朝日新聞連載の「江戸の坂」とおりに歩いてみる……つもりだったが、有栖川宮記念公園の手前で曲がるハズが間違えて公園まで出てしまったので、結局遠回りに。けっこう広大な敷地のフランス大使館周辺の閑静な高級住宅地。南部坂、新富士見坂、青木坂、天現寺、狸橋と回る。日曜日だけに人が少ないのは嬉しかったが、てめえとは一生縁がなさげなタカビーな空気には閉口。それでも、天現寺前とニューサンノーホテル前の歩道橋から眺める風景は、(まんまな表現ながら)いかにも都市然としていてオレ好み。
ニューサンノーホテル脇の坂をあがると、さっきと同じ青木坂の下に出たので、そのままどんどん進んでみる。自治大学校角、「この先行き止まりです」なんて表示が出ている先を行く。途中、フィンランド大使館があったらしく、それっぽい白人男性がクリスマス用の飾りらしいトナカイ人形を抱えて行き過ぎた(途中の山梨県特産センター前のテントで売ってたらしい)。そのまま行くと奴坂。くの字に上り下がり、コレで周囲が開けていたらもっと名坂になるんだが*2、惜しい。通りに出て進み、アルゼンチン大使館、パキスタン大使館が並ぶ一本松坂へ。ユニークな尖塔風なつくりがなかなか絶景な元麻布ヒルズは目の前。
地名の由来となった一本松前は3つの坂の合流地点。都内の坂道のなかでも指折りのスポットであろう。こういう場所に来ると、わけもなくゾクゾクする。もぅ別に自主映画を撮影したりするわけでもないのに……単純に<風景フェチ>なのかもしれん。
まずは暗闇坂をてくてく降りる。坂道途中でふりかえり仰ぎ見た元麻布ヒルズが印象に残った。ココだけは撮影すべきだったかも。おそらく六本木ヒルズ帰りであろう、麻布十番からあがってくる人も多い。狸坂・狐坂下には若い警官が退屈そうに突っ立っていた。主に中国大使館の警備のためらしい。狐坂は表示もなく、一角をぐるっと回って引き返し、狸坂をあがり、元の場所へ。大黒坂、七面坂も降りてみたが、こちらはさして面白くなし。それよりも大黒天裏に抜ける脇道が薄暗く不気味げでちょっといい雰囲気だったかも。
一本松前に戻ると、どっかのキャメラ小僧風兄さんがキャメラを持ってうろうろしていた。プロでなく趣味の方だろうが、なんとなく目が合ってしまってちと気まずい思い。まぁ、オレもいちおう撮影するかどうか悩んでポジションを決めかねていたせいもあるんだが。こっちはただのスナップ、あくまでも記録程度のモノなんで対抗意識とかでは全然ないんだけど。
元麻布ヒルズ前の芝の上では、白人父子3人がラグビーに興じていた。この日、この近辺で見かけた子供はほとんど外国人だった。パキスタン大使館脇の閑静なうえに瀟洒な住宅街を抜けると有栖川宮記念公園の裏手へ。インド系女性ふたり連れがぺちゃくちゃしゃべる横を通りすぎ、有栖川宮記念公園の中を抜けた。休日のうえに日和よすぎのせいで、公園は家族連れと犬連れで呆れるほどに満杯。ドッグショーにまぎれこんだか、と思うほど犬が多かった。たいてい、小型犬ばかりで飼い主の足元をチョロチョロしてるだけ。ペットブームを思わぬ形で実感するハメになったぜ。パキスタン系の方かどうか、たぶんMP3でも聴きながら軽く拍子をとって歩いてた黒人男性など、外国人も当然のようにココでも多し。さっきのキャメラ小僧兄さんは池の脇でまたパチパチやっていた。なんだか邪魔したみたいで変な気に。撮影してる人は一瞬でも観察したりしないほうがいいようだな。
なんとなく歩き足りない気もしたが、冬至前の悲しさ、日没も近いので今日はココであきらめ、恵比須経由で新宿に出る。ディスクユニオン、閉店決定のヴァージンメガストアをひとわたりチェック。個人的に目ぼしいブツは特になく、ユニオンのプログレ店で300円で叩き売られていたアラン・パーソンズ・プロジェクト「ヴァルチャー・カルチャー」を保護したのみ。ヴァージンは移転前は毎週のように通っていたし、思い入れもそれなりにあるつもりなんで、閉店はやっぱ残念。もっとも、最近はかつてのようにコアな品揃えでなくなったようにも思えた。店鋪内が無駄に広かっただけのような。バーコード式の試聴コーナーも、せっかく数をそろえながらも全曲1分弱(だっけ?)で終わるのも解せなかったし。

*1:具体例つうか、参考になるサイトはこちら<港区の坂http://www.kissport.or.jp/guide/saka/><東京23区の坂道http://members.tripod.co.jp/fookey/tokyosaka.htm

*2:くの字型の坂は都内でもけこうあるハズだが、印象的なのは市ヶ谷・大日本印刷前の中根坂とか。運送トラックの出入りが大変そうだ