ピーター・フォーク『刑事コロンボ/溶ける糸』

容疑者の心臓医レナード・ニモイ(声:天田俊明)のせせら笑いに思わず激昂したコロンボ、デスクの置時計をひっつかんで叩きつけ、一喝。名優フォークとゲストスターが織り成す打々発止の大熱演目白押しなシリーズ中でも、個人的には最も印象的な名場面。声はもちろん、小池朝雄に決まってるじゃないっすか。後を継いだ石田太郎銀河万丈も、どっちも悪くないですけどね。

準決勝はアーセナルVSレアル・マドリー!?

http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=153631.html
UEFAチャンピオンズリーグクォーターファイナルの組み合わせ、キタ〜〜〜!!!
ポルトVSオリンピック・リヨン
ミランVSデポルティボ・ラ・コルーニャ
レアル・マドリーVSモナコ
アーセナルVSチェルシー

チェルシーサポには悪いけど、寄せ集めごときじゃ今季の常勝軍団アーセナルに勝つのはまずムリでしょう。となると、オレ様が夢みたギャラクティコVSガナーズという屈指の好カードがほぼ実現確定!
ミランVSデポルってカードも最高。ミランスクデッドビッグイヤー、どっちに重点を置くべきか、思案のしどころであろう。デポルの“ベックス破壊兵器”ドゥシェル、今度は誰を破壊するやら? いや、ボロ負けしてもいいから、正々堂々勝負してくれ。デポルはリーガのほうは現時点でチャンピオンズリーグ出場圏4位以内はほぼ確定だから、こっちに力を注げるし、ミランは意外と苦戦すると思うぞ。徹底的に足を引っ張ってやってほしい。
てなわけで、超希望セミファイナルはポルトVSデポル、アーセナルVSレアル・マドリー、となれば、ファイナルはアーセナルVSデポルという、オレ自身の御贔屓チーム同士の対戦となり、どっちが勝っても文句なし、という楽観的展望まで見えてきた。ここらでアーセナルみたいな基本的には地味なチームがビッグイヤーを獲得してもいいんじゃないかと。目下世界最高のフォワードと評していいアンリにバロンドールを、そしておそらく選手生活最後の輝きを見せつつある鬼才ベルカンプに二度とめぐってこない誉れの栄冠を与えたいのだ。
ま、現実にはレアル・マドリーVSミランって組み合わせが最有力だろうけどさ。オレ的にはミランが敗退してくれさえすればいいのだ。昨年のファイナルみたいな凡戦、オレは二度と見たくないんで。

イイものを見せていただきました。

正午に日比谷に出かけ、今年最初(呆)の試写*1に。またまたみやりゅうさんの御厄介になってしまい、恐縮しきり。事情からして、作品名はまだ公表しないほうがいいみたいなんですが、以下私信的に感想など、ひとくさり。
主演のFさんにやられましたね。小柄な身体に宿る枯れた味わい、そのたたずまいの見事さに打ちのめされました。それを真っ向から必死こいて受け止める息子青年も健気さもまたよくて。ただ眺めているだけで時間が過ぎるような名場面が連続しているのに、なぜかナレーションで説明しすぎてしまったり、音楽がややベタに流れてしまったりする箇所はちょっと辛いんですけど、実のところ、そういう個人的な好みなぞ、主演ふたりの熱演の前には吹っ飛ぶという具合ではあって。ささいな弱点を見つけだそうとせずに、素直にイイとこがよかったからイイって言うべきだな、といちいち反省してしまうような、そんないじらしさのある映画。そんなトコにも可笑しくも、監督の性格があらわれてるような。
監督の作風という点でいえば、今回は特に、全体のシーンの流れといい、画面に漂う雰囲気といい、どうにも中国映画はたまた香港映画の父子愛ものといった趣きを感じまして。イケメン青年のアップにナレーションがかぶさったりするトコとか、なぜか恋人が韓国人(ですよね?)モデルだったりするトコとか、どうにもアジア寄りな匂いをぷんぷん感じてしまったり。狙っているのか、ホウ・シャオシェンジョン・ウーが好きという、監督の趣味がわかりやすく出てしまってるだけなのか、興味深いところ。
あとはそうですね、日本はまだまだ山紫水明の国というか、探せば心なごませるイイ風景が一杯あるんじゃないかって希望を持たされたという点でもポイント高い。
フィルムコミッションはうまくハマれば、今後も良作を生む可能性が充分あるんじゃないかと。その意味でも、コレも個人的好みながら、もっと風景をじっくりまったり、ゆったりみっちり、要所でガツーンと見せて勝負して下さる画があってもよかったかなぁ、なんて。
ま、欲張りな希望でしかないんでしょうが、そのへん、もっと画だけで勝負するような強みが出てくれば、良作度はさらにグレードアップした気はします。ある種、イイ意味での「ゆるさ」が監督の持ち味とも思うので、望む方向性が違うという気もするんですけどね。あんまりシネフィル趣味というか、文芸映画然と画面を一部の隙なく構築してしまうと、観客を限定する嫌味なシャシンになってしまう可能性もありますからねぇ。具体的にどの監督どの作品なんてここではあえて申しませんけど(笑)
しかしなにより、中学時代ファンで顔写真付きのしおりを持ってたりした角川映画ヒロイン*2、そして監督作品常連の元野球選手令嬢*3にナマで接近遭遇できたのは、久々に感激で(笑)やっぱ、女優ってイイわ、素敵だわ。
重ねて、感謝感激でございました。

*1:今回はスタッフの方の御厚意により、たまたま見せて頂けたもの。いわゆる「内覧」かどうかは知らず。蛇足ながら、「内覧」の場合は宣伝サイドの許可が出ないかぎりは、見せてもらった作品名は伏せるのが慣習と聞く。というのも、業界の方の一部には、宣伝の方などに新作試写を誰よりも早く見せるよう、強談判する向きもあるかららしい。なるほど、そんなこったから、媒体なぞ持たぬのにいやしくも評論家だのを名乗る、牛丼喰らいだのどっかの関連職種会社を定年退職後でヒマもてあます爺どもだの、常人とは思えぬ<試写族>なる気色悪い種族がはびこるのであろう。ま、外部の人間たるオレには関係ないし、知ったこっちゃないんだが。

*2:予想していたより小柄で、かつすっきりしたムードが漂ってて、お美しかったです。実年齢、絶対信じられないです。

*3:こちらは思っていたより背が高いのに、やたらスリムなのにもビックリ。でも口を開くと、チャキチャキした関西弁でサバけてて素敵。最高にいい意味で、イケてるおネェちゃんだなぁと。

邂逅。

試写後、みやりゅうさんの後輩Sさんとお茶してから新宿タワレコへ。DVDを見ていたら、なんとサークルの後輩Nとばったり。会うのは5年ぶりくらい。前回は渋谷のタワレコで会ったのだった。某半国営放送局のディレクターなのだが、一緒にいたこれまたサークルの後輩女子T嬢と結婚するとか聞かされて、二度びっくり。とりあえず、おめでとうを言い、しばし、かつてのサークル仲間の近況報告をし合う。まさに、「犬も歩けば棒に当たる」だ<誤用ではなし(笑)
その後、小野島大氏監修のUKニューウェイヴもの数点を試聴したりしてから、以下2枚だけ買って帰宅。
ジョニ・ミッチェル「ブルー」
●ディス・モータル・コイル「It'll End In Tears」

ディス・モータル・コイルの本作は、デイヴィッド・リンチロスト・ハイウェイ』でも使用された名曲、エリザベス・フレイザー歌う「Song To The Siren*1が名高いようだが、4AD系だのそんなにおさえてないオレ的には、『グラディエーター』サントラで親しみを持ったリサ・ジェラードの曲に興が湧いたり。とにかく、やっぱ名作だわコレ。

*1:ロスト・ハイウェイ』サントラには残念ながら未収録。

三重テレビのゆかぴ〜は今頃どうしてるんだろ?

爺みたいでヤなんだが、寝起きのぼんやり頭に浮かぶのは、過ぎ去りし日の想い出ばかり。そんなわけで『アマルコルド』−わたしは思い出す。
高校時代は地元のローカル局三重テレビでやってた『POPIN'POP』なる洋楽番組*1を毎日チェックしていた。ゆかぴ〜*2なるおねぇさんアナがM.C.。洋楽仲間と競って、番組提供のライヴ・チケット&アルバムのプレゼントに応募しまくり、ことごとく当てまくった(笑)つうか、この番組、オレたちしか見てなかったって話もあって。生まれて初めての外タレ(死語)コンサート、ピンク・フロイド*3はじめ、エリック・クラプトンマーク・ノップラーエルトン・ジョンデイヴィッド・リー・ロスに行った。
たしか音楽評論家の市川哲史氏が毎週ゲストに来てたり、ローカル局、毎日15分枠だからって侮れない、こだわりのビデオクリップ紹介&最新アーティスト情報を伝えてくれてた。デビー・ギブソンもリック・アストリーもワム! も、大抵はこの番組で見たような。プリンス、スティング、ピーガブ、はてはデイヴィッド・シルヴィアン「オルフェウス」あたりまで紹介していたような。
プレゼントに同封されたお手紙もM.C.のゆかぴ〜が一枚いちまい書いていたようで、綺麗な字で、
「わたしがひとりで、企画から選曲から発送まで、何でもやらされているんで〜す♪ 応援してくださいね〜」
みたいなコトが書かれていたような。
もっとも、わが“『ラジオデイズ』”ならぬ“『ゆかぴ〜デイズ』”は長くは続かなかった。『POPIN'POP』はオレがちょうど高校1・2年生だった2年で終了。ゆかぴ〜の結婚・退職というわかりやすい理由であった。オレはそれをプレゼントで当てた「ラスト・エンペラー オリジナル・サウンドトラック」のレコードに同封された手紙でも知らされた。
「突然ですが、わたし、寿退社することになりました。番組終わっちゃいますけど、ごめんなさいましね〜♪」
……しょぼ〜ん、であった。
スティング「ナッシング・ライク・ザ・サン」はオレの洋楽リスナーの師匠、Tくん*4だったかが当てた。とにかく、プレゼントはオレはじめ、オレの仲間3人ほどだけで独占状態だったのだ。田舎ならではのザックリしたお話だよな。
正直、暗〜い中高生活だったのだが、この当時見聞した映画や音楽、本・マンガ等々は、いまだ記憶に焼き付いている。10代での体験ほど強烈なモノはない、と思い知らされる今日このごろである。

*1:検索したら、しっかり番組に関する記録が出てきた。ありがたし! 勝手紹介で恐縮ながら、TOPページにリンク張っておきます。<魅惑の三重テレビ−非公式ファンサイトhttp://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/6733/

*2:本名は小津由香里さんというそうな。意外や、小津安二郎の親族だったりして。小津の父は三重県出身みたいだし。

*3:この時はオレだけで10人中8人分を当てて、級友に声かけまくって、連れ立ってぞろぞろ出かけた。

*4:関西の国立大学医学部卒業後、理由は知らないが、ちょうど神戸大震災直後、自殺したという。卒業以後、1回しか会えなかったのが無念。