『新・座頭市 III』第21話「渡世人の詩」(前編)


原作:子母沢寛
脚本:中村努、奥村利夫
監督:勝新太郎
音楽:村井邦彦
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
中川の利助:森繁久彌
清吉:根津甚八
藤代の政次郎:小池朝雄
黒磯の喜三郎:船戸順
文吉:和崎俊哉
秀次:藤田駿
おちか:小野山律子
ほか


大恩ある銚子一家の親分の頼みで、藤代の政次郎(小池朝雄)一家を訪ねる座頭市勝新太郎)は、道中、老渡世人の利助(森繁久彌)と道連れになった。市と利助は旧知の間柄。十年前、渡世の境地から対決するハメになり、市は利助の額に傷をつけた。今はもう二人の間には何のわだかまりもなかった。利助は藤代一家とは犬猿の仲の黒磯の喜三郎(船戸順)一家にやっかいになっていた。政次郎の人のいいのにつけ込み、喜三郎は藤代一家の縄張りを侵食、両一家の派手な反目に、罪もない宿場の住民は泣かされ通しだった。喜三郎の横暴は日増しにエスカレートする一方。銚子の親分は仲裁役としての市の手腕に期待した。藤代一家の秀次(藤田駿)が黒磯一家になぶり殺された。いよいよ宣戦布告をしてきたのだ。藤代一家は殺気立った。秀次の弟分清吉(根津甚八)が押しとどめた。「今日限り、あっしの盃を水に流してやっておくんなさいまし」。清吉は、もめごとを一人で解決するつもりだ!