『新・座頭市 III』第17話「この子誰の子」


原作:子母沢寛
脚本:佐藤繁子、奥村利夫
監督:太田昭和
音楽:村井邦彦
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
おとめ:藤村志保
太郎吉:清水康晴
甚八:多田幸雄
御隠居:北見唯一
御新造1:松村康世
御新造2:三笠敬子
御新造3:近江輝子
薬売り:平凡太郎
捨吉:蟹江敬三
ほか


明神一家に追われる座頭市勝新太郎)は、ひょんなことから“おとむらい屋”の母子、おとめ(藤村志保)、太郎吉(清水康晴)と道連れになった。“おとむらい屋”とは、葬式のある家を見つけては乗り込み、太郎吉を故人の隠し子に仕立て、スキャンダルを内分にすませて欲しいのならと金一封をせしめる、人の不幸につけ込んだあこぎな“商売”だ。どこか品があり、一見大家の奥様然としたおとめ、そして、太郎吉のあっぱれ名子役ぶりが、葬式で取りこみ中の虚をつき、商売はどこでも大成功だったが、世の中には変わった商売もあるものだと、市は苦笑を禁じえなかった。“商売”には“黒幕”がいた。ケチな旅烏の捨吉(蟹江敬三)と薬売り(平凡太郎)だ。薬売りが葬式の情報を集め、おとめのヒモ気取りの捨吉が、いっさいのお膳立てをするという寸法だ。そんな偏頗な環境が、童心にどんな悪影響を与えるか。市は自分の不幸だった少年時代をかえり見て、太郎吉の行く末が心配になった。だが、太郎吉は“商売”を離れては、子供らしく、のびのびとして屈託なく、明るかった。市はいっぺんに太郎吉と仲良しになった。おとめと市の仲を邪推する捨吉が、市を明神一家に売った。そして…。