猥談が“快”談と化してる様が粋だねぃ。

談志楽屋噺 (文春文庫)

談志楽屋噺 (文春文庫)

題名どおり、全編、立川談志・家元知るところの種々雑多な今昔芸人たちのこぼれ話。脈絡はないし、落語ギョーカイの隠語炸裂、言い回しも独特ゆえ、意味を完全にはつかみかねるトコもあるけど、そんなこたどーでもいい。若き日の家元が仲間の目の前でまな板ショーに励んじまったり、こん平が白黒ショー展開したりなんて、若き芸人たちの無頼無軌道人生が垣間見えてニヤニヤ。円楽師匠の悪口大会なのかと思ったらそういうワケでは全然なかった。
電車の中よりも寝床でひとり、うひゃうひゃヒィヒィハフハフして読むべき本。オッサン予備軍的には、20代以下にコレを真顔で面白い、なんてェ云われたくないって気もしたけどね。三十路超えなきゃ見えねェ境地ってモンもあるってこってェ。有り体に云やァ、精力ビンビンギンギンな兄サンがエロごと話しても生々しいだけ、色気ってモンは草々出ねェってこったな。ジジイの負け惜しみじゃねぇや、人生、そういうモンだって思うぜェ。