野沢尚氏、自殺続報。

脚本家がおのれ一世一代の大仕事を途中で自らの身命捨ててまで投げ出すとは、よほどのこと。やはり、いまだ報道されないウラ事情があったとしか思えぬのだが。現時点で、司馬正太郎サイドのコメントを不勉強ながら見かけていないのだが、スポーツ誌等では掲載されていないように記憶するので、原作者側と大きな「齟齬」があったのでは? と下司の勘ぐりもしたくなり。 
司馬夫人・福田みどり女史は、さすがかの<司馬史観>を内助の功で支えただけあって、一筋縄ではいかぬ女傑と評判を聞いているし、脚本執筆の段階でのやりとりが知りたいものだ。
いずれにせよ、「男子の本懐」を遂げずして果てるとは……無念なりしや。
つくづく、「鎧を脱げぬ男」((C)笠原和夫ほど、つらきものはないらしい。
後任の脚本家が誰になるか知らぬが、ともかく、司馬遼太郎とその愛読者、そして野沢尚氏の名を汚さぬよう、やるならやるで世界TV史上に残る力作を世に出してほしいものだ。
司馬遼太郎が描く以上に、日露戦争とは、世界史においても、革命的大事件であったのだから。いまに至るも、地球史において、日本人最高の「栄誉」(正確には戦争という問題事ゆえ、せいぜい「業績」とでも評すべきであろうが)と見なされている面もあることを忘れてはなるまい。