ポルトガルVSギリシャ

おそるべきかな、オットー“大帝”・レーハーゲル! 将は兵に誉れをもたらしてこそ。名将とはかくなる仁を云うべし。
全員守備VS全員攻撃。「個」の力で局面打開を図るポルトガルに対し、ひとりひとりが敵を受け止め、ジリジリと攻め返すギリシャ。よく批判されるリアクション・サッカーという類のモノではなく、華麗なる攻撃をさらに上回る、受けの美学を感じさせる、真の意味で見応えある「守備」サッカーというモノを初めて見せられた気がする。
ココまで隙なきサッカーをされては、いかなる相手も打つ手はあるまい。かろうじてチェコのウルチカ・パスによる針の穴通す緻密なるサッカーと、ポルトガルの先が読めない想像/創造力あふれるサッカーが対抗し得たと思うのだが、結局、ギリシャはすさまじい「集中力」で彼らを撃破。まさにお見事、天晴れとしか云いようなし。
しかも、お気づきであったろうか? ギリシャの交代は2枚のみ、最後の切り札ツァルタスを温存しての勝利だったのだ。まさに本日の題名にふさわしい。弾(タマ)をしっかり残しての最後の最後まで気を抜かない、おそるべき勝利への執念を見せたのである。 
個人的には後半投入されたルイ・コスタ、代表最後の輝きを拝めたのが一番嬉しかったかも。スピード感あふれる突破力なぞありはしないが、ゆったりおっとりピッチを歩みながら、一瞬の隙も見逃さず、あやまたず放たれる天下無双のスルーパス。その優雅なる後ろ姿に後光がさして見えた。
ファンが待望したポルトガルVSチェコというカードが拝めなかったのは、末代まで語り継がれる残念無念事なれど、それとはまた一味も二味違う、「渋み」あふれるサッカーをギリシャは見せてくれたと思う。拍手喝采
それにつけても、おつかれさまでありました。ではまた、皆様、2年後のドイツW杯でお会いしましょう! あ、その前に来月、アテネオリンピックってのもあるけど、アレはまぁいいよね。つうわけで、サヨナラサヨナラ、サヨナラ。