黒澤明伝説

昨日は仕事絡みで、三船敏郎について、黒澤明絡みのモノを中心に手元にある資料類をめくり読み。
資料読み自体は苦痛ではないのだが、どんな事柄でも調べればしらべるほど、てめえの不勉強さや無知さ具合を思い知らされてしまうコトが多く、やがて自信喪失、げんなりしてしまうパターンがしばしば。それでも、時間/予算等が可能な限り、入手できる資料には目を通さないと、どうも不安で書くものも書けなくなる困った性分。


黒澤明監督作品は数作を除くほぼ全作、映画館で一応見ている。もっとも、個人的には、敬意こそ十二分に表すれど、ハッキリ言って好きな監督ではない。どれくらい嫌いかと言えば、邦画ベスト監督100人中に意地でも入れないくらい(笑)いやもちろん、批評家的観点からすれば、日本が誇る、いや世界的に見ても、映画史に燦然と輝く大巨匠だと、心底から思うよ。蜘蛛巣城とか大好きだし。ただ、説教臭い作風といい、何かと言うと強迫的に見せつけるような映像設計といい、どうにも「これ見よがし」なトコロがあって、あくまでも個人的には好きになれないだけである。それでも、本人の発言や関係者の証言をいろいろ読み返すだに、やはり偉大な才能の持ち主だったコトだけはひしひしと伝わってくる。「畏怖」のようなものを感じてしまうから、つい敬遠してしまう面はあるかもしれぬ。


さて、三船敏郎について。……弱った。愚生、“世界のミフネ”に関してはまだナニも知らぬも同然な気分。なるほど、すぐに簡単な原稿化はできるくらい、ひととおりの経歴くらいは頭に入ってる。でも、実際の人とナリ、本人のたたずまいのようなモノが、例えばわが愛するカツシンやビートたけしほどまで、自分の中でつかみきれないのだ。おのれの内なる三船敏郎“像”が形成され得てない、というか。仕事的にはそれほど問題なく書けそうだが、なんだかコレでは納得いかぬ。てなわけで、明日から三船について、できるかぎり調べ直しと相成りそうだ。

仕事探し関連の作業も無論しないとイカンので気ばかり重い。なんとかかんとか、せにゃならぬ。


それにしても映画のコトを語ろうとすると、知らぬうちにモニターに身を乗り出してるオレ。やっぱり、骨の随まで映画バカなんだ、仕方ねぇなぁ。それでも業界からはあえて離れようと思っているわけだけど、去ろうとしているから、逆に後ろ髪ひかれているのか、どうか。