予告:この夏は今さらながら向田邦子にハマります

中古CDでめぼしいブツが見つからず、新ネタをゲッツできなかった反動で、久々に数だけは買ったような。いつ読むかわかりませんが。
何度も書いてますが、オレ、ホント、国内小説ってまったく読んでないんですよ。翻訳文体に慣れ過ぎたせいか、それ以上に文体フェチ傾向はなはだしすぎるせいか、よくわからないけど、マジでフツーの人よりも読書量に関しては劣る。最近は文章を読むだけで疲れたりするし。いや〜こんなンじゃ文筆業なんざ続けちゃいけないっしょ? 読むにも書くにも頭の中で音読が絶対必要だったりするからかな?(<もしかしてオレ、頭悪ぃ?)いや、校正もやってたんで、内容読まずに字面追う読み方もできるんで、速読もできるほうだけど、そういうのは読書とは呼ぶまいし。まぁ、最近、ようやく読書ペースも復調しつつあるんですけどね。
セバスチャン・ジャプリゾ「寝台車の殺人者」(50円)
金子信雄「続・金子信雄の楽しい夕食」(30円)
・ヘンリー・デンカー「復讐法廷」(30円)
クレイグ・トーマス「ファイアフォックス」(30円)
コリン・ウィルソン「超能力者 ストレンジ・パワーズ」(105円)
・ジョン・カニング編「ワールド・グレーティスト・シリーズ 未解決事件19の謎」(105円)
・飯塚訓「墜落遺体 御巣鷹山日航123便」(105円)
斉藤充功「脱獄王 白鳥由栄の証言」(105円)
山本直樹「YOUNG & FINE」(105円)
岩明均「骨の音(新装版)」(400円)
・作・笹沢左保/画・小島剛夕木枯し紋次郎」(350円)
・作・小池一夫/画・神田たけ志「真説・御用牙」(300円)
横山光輝史記」(105円)

「真説・御用牙」は作者コンビが変わらないのに、画も話も雑な仕上がりでかなりガッカリ。劇画版「木枯し紋次郎」は出ているコトも知らなかったんで一応ゲットしたが、まぁ、読むまでもなかったかも。紋次郎が拝一刀みたいな顔してたり、刀使いも同じっぽかったりしてたら、イカンよな。説明の入れ方も思いっきり「子連れ狼」風だったし。そういや、平田弘史版「座頭市」なんてのも再版されて出てたけど、アレも買うまでもあるまいな。
実は全作揃えてみたい山本直樹の「YOUNG & FINE」は、オレ的にはあまり好みでない高校生の悶々性春もの。ま、画と情景キリトリのセンスが好きなワケなんで、そのへんは全然オッケー。


マンガといえば、こないだ友人が処分するというんでもらった柴門ふみ向田邦子漫画館 花の名前」を読んだのだが、予想以上にハマッた。いや、向田邦子の描写の鋭さに改めて感じ入ったのであり、個人的には特に興味もない柴門ふみに感心したわけではないのだが、やっぱ女流作家の作品は女性漫画家が描くべし、というコトなのか、小説では実はやや描写不足かと思えるシーンも柴門ふみ流に補完してあるトコもあって、そのへんに感心しきりだったり。
いやぁ、やっぱオモロイわ、向田邦子。男と女、夫婦や友人同士の人生模様、心の機微のはしばしまでもが、なにげない舞台道具でもって空恐ろしいまでにズバリと描き出されて、正直、背筋がぞくり、とうそ寒くなるほどだったりで。
ちなみに、「向田邦子漫画館 花の名前」では柴門ふみVS久世光彦の対談も収録されていて、これがまた興をそそる。なかでも、「思い出トランプ/『男眉』」での一情景が個人的には膝打ちもので。

久世「(法事をやってる場面で)、トイレから妻の妹が出てきて、すぐ後に亭主が入ろうとする。それを妻はすごくいやな思いで見ている。ああいうのも感心するなあ。」
柴門「私もそこはすごく残ってます」
久世「向田さんは結構ご不浄にこだわる人で、そういうエピソードがずいぶんあったような気がする」(略)

コレ、昔、NHKでドラマ化されたヤツだったかをオカンと一緒に見ていて、オカンが「……フフフ」とウケまくるより先に、子供心にぞくッと来た名場面。オレの場合、向田邦子というとまずこのシーンが頭に浮かぶくらい、強烈な印象に残っている。どれくらい強烈かというと、いまだに女性が入った後のトイレは避けられるかぎり避けるくらい(笑)。紳士のマナーかどうかなんざ知らないが、単純にイヤだ。野郎同士なら「クサい仲」で住むから全然気にならないが、トイレが女性と共用ってのは、常にイヤだねぇ。
なにはともあれ、やはりこの場面、演出家も大いに重要視しており、印象に残る名場面であったコトを確認できて、うれしく思った次第なのであった。
どうでもいいが、オレ、糖尿病にはちょいと気をつけないといけないらしいと診断されて、ちょっと不安になってます。(尾籠な話にて恐縮ながら)尿酸値が高いそうな。健康第一、なんとかしないとなぁ。