『座頭市物語』第4話「縛られ観音ゆきずり旅」

個人的にはTVシリーズ屈指の傑作。

原作:子母沢寛
脚本:浅井昭三郎
監督:三隅研次
音楽:富田勲
制作:勝プロ/フジテレビ

座頭市勝新太郎
お駒:太地喜和子
どんでん半次:和田浩治
堂守の喜助:藤原釜足
あや:植条左洋子
下倉仙十郎:峰岸隆之介
橋部の勘五郎:須賀不二男
妙見の新八:山本一郎
助川の吉兵衛:小田部通麿
木俣の久六:草野大悟
ほか

利根川べりを旅していた市(勝新太郎)は、道端の観音さまを荒縄で縛っている女と出会った。その女お駒(太地喜和子)は別れた子を探して旅をしているのだが、この縛られ観音を縛って願をかければ、必ず叶うと聞いてやってきたのだという。
 二人はやがて宿場町にたどり着いた。この宿場では近くのお地蔵様の境内に立つ高市に賭場を開くことが認められていて、助川(小田部通麿)一家と橋場(須賀不二男)一家が昔から交替でその賭場を取り仕切ってきた。だが、最近この付近にやってきた、若いがやり手の八州取締りの下倉仙十郎(峰岸隆之介)がこの二つの組みをかみ合わせたため、この町は不隠なできごとが続いていた。
 市が下倉やとり巻きの浪人たちに呼ばれて肩をもんでいるところへ、お駒が歌でも歌えとつれてこられ、お駒を見知っていた下倉の口から、彼女が島帰りの女であることを市は知った。
 彼女は旅芸人の一座にいて、一座の男と恋仲になったが、座頭がお駒をしつこくつけまわすので、男が思いあまって座頭を殺してしまった。男は打ち首になり、お駒は島送りということになったが、身ごもっていたため、子供が生まれるのを待って島に送られ、子供は親切な牢番喜助(藤原釜足)に引き取られた。お駒は上様お世継誕生の解き放しで、自由の身にはなったが、一度も顔を見ていない子を探して、この辺りに隠居したという牢番をたずねて歩いているところであった。
 下倉仙十郎はお駒の古傷を暴いて嘲笑しながらも、彼女への関心を隠そうとはしない。市は悪辣な八州を斬ってしまいたい誘惑にかられた。
 翌日から、市はお駒と手分けして、利根川べりを足を棒にして、元牢番の喜助という老人を探して歩いた。探し当てられぬまま、もとの宿場に戻り、お地蔵様の境内で休んでいた市は、そこの堂守りが当の喜助であることを知った。
 だが、そのお地蔵様の高市をめぐって助川一家と橋場一家がいよいよ最後の対決をする刻が迫ってきていた。市はお駒達の生活のために助っ人を買って出て、二十両をお駒のところへ届けてやった。
 下倉は双方のやくざを一挙につぶそうとして、とり巻きの浪人たちを三人ずつ両方に送り込み、けしかけていた。彼は自らこの高市を取り仕切って金を儲けようと考えていた。
 市は双方のやくざが殺し合い、残った者達が浪人達に斬られるのを待って、浪人や八州を斬った。