ジム・トンプスン「グリフターズ 詐欺師たち」(黒丸尚訳)

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全身男気作家ジム・トンプスン(Jim Thompson)。詳しい経歴はこちらなどでも。
http://homepage2.nifty.com/yoshinojin/Crime.files/CW1.files/Thompson02.html
アメリカのパルプ小説界の鬼才(1906〜77)。“ダイムストア(安物百貨店)のドストエフスキーとのうたい文句で、死後、カルト的な人気を獲得。
クエンティン・タランティーノがことあるごとに影響を口にする作家のひとり。タランティーノは「キャラクターの真実を描き切る点がすごい」とトンプスン作品を評価、自らの監督作の端々にトンプスンから流用したとおぼしき設定が散見される(もっとも、トンプスン作品の骨子たる「残酷なユーモア」まで映像化し得ているとは、とても云い難い)。
邦訳は本国発表順に以下のとおり。残念ながら、翻訳されていない作品はいまだ多数。

<邦訳作品>
*ガイド本

ジム・トンプスン最強読本

ジム・トンプスン最強読本

1952:

おれの中の殺し屋 (扶桑社ミステリー)

おれの中の殺し屋 (扶桑社ミステリー)

=「内なる殺人者」(河出文庫、村田勝彦訳)
内なる殺人者

内なる殺人者

1953:「残酷な夜」(扶桑社、三川基好訳)

残酷な夜

残酷な夜

   「サヴェッジ・ナイト」(翔泳社、門倉洸太郎訳)
サヴェッジ・ナイト (Shoeisha・mystery)

サヴェッジ・ナイト (Shoeisha・mystery)

1954:「深夜のベルボーイ」(扶桑社、三川基好訳)
深夜のベルボーイ

深夜のベルボーイ

   「死ぬほどいい女」(扶桑社、三川基好訳)
死ぬほどいい女

死ぬほどいい女

1955:「アフター・ダーク」(扶桑社、三川基好訳)
アフター・ダーク

アフター・ダーク

1959:「ゲッタウェイ」(角川文庫、高見浩訳)
ゲッタウェイ (角川文庫)

ゲッタウェイ (角川文庫)

1963:「グリフターズ 詐欺師たち」(扶桑社ミステリー文庫、黒丸尚訳)
グリフターズ (扶桑社ミステリー)

グリフターズ (扶桑社ミステリー)

1964:「ポップ1280」(扶桑社、三川基好訳)
ポップ1280 (扶桑社ミステリー)

ポップ1280 (扶桑社ミステリー)

ポップ1280

ポップ1280

1983:「この世界、そして花火」*1
この世界、そして花火 (扶桑社ミステリー)

この世界、そして花火 (扶桑社ミステリー)



失われた男 (扶桑社ミステリー)

失われた男 (扶桑社ミステリー)

取るに足りない殺人

取るに足りない殺人

鬼警部アイアンサイド  (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

鬼警部アイアンサイド (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

荒涼の町 (扶桑社ミステリー)

荒涼の町 (扶桑社ミステリー)




<主な映画・TV化作品>
1956:『現金に体を張れ』(※ダイアローグ追加)監督:スタンリー・キューブリック/出演:スターリング・ヘイドン

1957:『突撃』(※脚本)監督:スタンリー・キューブリック/出演:カーク・ダグラス
突撃 [DVD]

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1962〜67:『コンバット』(※脚本、TVシリーズ)/出演:ヴィク・モロー他
COMBAT!〈カラー版〉DVD-BOX

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1972:『ゲッタウェイ』監督サム・ペキンパー/出演:スティーヴ・マックィーンアリ・マッグロー

ゲッタウェイ デジタル・リマスター版 [DVD]

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ゲッタウェイ [Blu-ray]

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1975:『Killer Inside Me』監督バート・ケネディ/出演:ステイシー・キーチ1979:『セリ・ノワール』監督:アラン・コルノー/出演:パトリック・ドヴェール、マリー・トランティニャン

1990:『グリフターズ 詐欺師たち』監督:スティーヴン・フリアーズ/出演:ジョン・キューザックアンジェリカ・ヒューストンアネット・ベニング

グリフターズ [DVD]

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『アフター・ダーク』監督:ジェームズ・フォーリー/出演:ジェイソン・パトリック、レイチェル・ウォード

1996:『ダブル・ロック 裏切りの代償』監督:スティーヴン・シャインバーグ出演: イライアス・コティーズ、ロール・マルサック

1996:『ファイヤーワークス』監督:マイケル・オブロウィッツ/出演:ビリー・ゼインジーナ・ガーションシェリル・リー

2010:『キラー・インサイド・ミー』


……熱帯夜、寝つけぬままに安ビールかっくらい、タバコ灰皿に山盛りにして読みたい作家だぜ、ベイベィ。真っ昼間に読むんなら、炎天下、木陰で汗だらだら流して挑んでもらいてぇ。


*1:死後発表された中編、「ミステリマガジン」1999年5月号掲載