だから、私は歌い継ぐ −アイヌのウポポ、八重山の島唄−(フジテレビ系、7/22(木) 27:05〜28:00放送)

詳細はこちらで。
http://www.fujitv.co.jp/nonfix/library/2004/f427.html
日本の「辺境」(北海道・八重山諸島)で活躍する音楽家OKI(オキ)・安里勇(あさといさむ)・新井幸人(あらいゆきと、パーシャクラブ)・床絵美(とこえみ)らの4人の姿を追い、数百年の歴史を超えて歌い継がれる<唄>の真髄に迫るドキュメンタリー。ナレーターは大森南朋
3日連続で紹介がてら書きましたが、ようやくモノを見ることができました。
友人がディレクターだから、というコトは観ているうちにどうてもよくなり、もともと大好物な和製エスノミュージックに聴き入っていました。メインに音楽を聴きたかったため、少々ナレーションが多めに感じる箇所多々。しかれども、一般に認知されているとは云い難いマイナーな音楽ゆえ、最低限の説明&紹介だけでも語りが必要だったのでしょう。テロップで処理するというテもあったのかもしれないけど、それもまた「うるさい」しねぇ。
和人(本土日本人)に伝統の習俗を禁じられながらも母から子へ歌い継がれてきたアイヌのウポポ、同じく、琉球王朝の圧政を受けながらも、自分たちだけの民謡を歌い続けて今に至る八重山民謡。日本の北と南の端、<辺境>と呼ばれる地で歌い継がれる永遠のスタンダードナンバーの奥深さと力強さが、淡々とした構成ながらも、しみじみと伝わってくる内容になっていました。要所で顔を覗かせる「“永遠”の唄」を受け継ぐであろう、歌い手の実子である幼子の表情の愛らしさに「希望」がほの見え、時代は変われど不朽なる「伝統」の素晴らしさに感じ入った次第です。


ちなみに、件の友人は美少年兄弟フォーク・デュオ平川地一丁目がデビューに至るドキュメンタリー・シリーズ(全4回)の前半2回も撮っています。曾我ひとみさんで一躍有名になった佐渡島在住の高校生&中学生兄弟の、今にもこわれそうな繊細きわまりない存在感がヴィヴィッドに活写された傑作でした。
たまたま友人に連れられて、デュオの名前の由来となった静岡県清水市に実際にある<平川地一丁目>に行ったコトもあります。踏み切り側の何の変哲もない住宅地の一角でしたが、オレ自身の実家周辺にも似た雰囲気があり、どこか懐かしい空気感ただよう場所に思えました。
オレはこのドキュメンタリーを観て、兄弟のファンになりました。J-POP隆盛は続いても、世代を越えて歌われる唄は壊滅状態にある昨今、彼らの素朴ながら唄心あふれる楽曲は今後もおそらく古びずにいつまでも聴けそうで、非常に貴重。美少女ならもっと良かったんですが……なんて云っちゃいかんな(笑)
機会があったらぜひチェックなぞ……って、まず再放送されないから困難か。上記の作品ともども、欲しいという方、もしいらしたらお申し出ください(※ただし、直接お会いできる方に限ります。スミマセン)。ビデオ、お貸しするなり、ダビングするなりいたします。
ともあれ、今回もイイもんを観れました。ありがとサンガリア