デンマークVSスウェーデン

コレが八百長と云うなら、超々高度な演出。緊張感あふれる試合だった……ロスタイムまでは。両軍勝ち抜けが決まった途端、完全になれあいムードに。ま、でも、いたしかたなし。攻め合ってもムダになったんだから、ナニをしてもしょうがない。
要するに、こういう結果をサッカーの神様が望んだとしか思えない。イタリアが真に見応えあるゲームを見せたのは第2戦のみ、あとは正直、ファンタジーとは程遠い内容だったから。万事、キメるべきトコではキメないとダメ、って世の真理がわかりやすい形であらわれたってコトだろうな。
デンマーク、2試合見てはいたけど、これほどまでにいいチームとは思ってなかった。左ウイングにグロンキアが返り咲いた第2試合を機に、組織的攻撃&プレスが全開、見事なゲーム支配。
対するスウェーデンも負けじと堅固な守備で対抗するも、正直、攻撃は異能派2トップに任せるのみ、というやや消極的な態勢に。
ノルディック・ダービーだか呼称は知らぬが、お互い北方ゲルマン人、手の内を知りつくした隣国同士ということもあってか、がっぷり四つ、相手の出方をこと細かにさぐり合って押し合いへし合い、という具合に試合が運ぶ。
それでも、試合の主導権はデンマーク、終始優勢ムード。92年大会は残念ながら見てないが、噂に聞く<デーニッシュ・ダイナマイト>再燃かッ! なんて思うほどだった。上のヨタではトマソン赤瀬川原平風に「無用の長物」扱いしちゃったがもちろん大ウソ。今大会屈指のトップ下選手、終始気が抜けない俊敏なプレイ、1点めのドライブかけたボレーシュートなんて惚れ惚れした。
最終的には両軍仲良く勝ち抜けとなったわけだが、見応えある内容だった。イタリアVSブルガリア戦よりもプレイの価値的には、正直、見るべき箇所は多かったのでは? もちろん、視聴者側にとっては「切迫感」に著しく欠けていたのは間違いないわけだけど、ふがいないアッズーリより、タフでハードなバイキングどものほうにまちがいなく圧倒された。
ホント、マジで真剣にカルチョってモンを考え直すべきと愚考しますぞ>アッズーリ、そしてイタリア国民諸兄殿。とにかく守ればいい、負けなければいいってモンじゃないんだってば。それじゃぜったい勝てないんだからさ!



以下、ただのメモです。
ところで、バイキングダービー見てて思い出したのが、言葉通り人外鬼畜な鬼才監督ラース・フォン・トリアーのTVシリーズ『キングダム』。そのあまりにエゲツなく救いのない感情移入不可能ドロドロダークな内容に正直閉口、実は全部見通せてないんだけど、主人公がスウェーデン人の因業ジジイ医師だったコトは強烈に覚えてる。深夜、屋上で「デンマーク人のクソッタレども!」なんて叫ぶシーンもあったよね。北欧も支配したりされたりで意外や根深い対立感情があるようだけど、今回のゲームでは、(映像で見るかぎりだが)和気あいあいとしてたような。でも、内心バカにしあったりはしてるんだろうね。日本と韓国みたいに。
そういや、うちのオカンの話だが、オカンは昨年、高校時代、40年前(!)に文通していたフィンランド人女性に会いに行った際、会話のなかで、相手の方が、背の高すぎる知人を評して、「あの人はスウェーデン系だから」なんて、やや嫌悪感をこめた発言をしたと聞かせてくれた。フィンランドスウェーデンに迫害を受けた歴史もあるので、対立感情は多少残っているらしい。そんなに嫌われてるのかスウェーデン人!? 面白い、と云っちゃイカンかもしれないけど、興味深いネタではあるね。