あやつり糸の世界

フィルメックスがすでに開催中だったとさっき知った。新文芸座では勝新太郎映画祭やってるし、小津安二郎生誕百年記念上映もやってるし、目下、映画祭はなかなか盛況なようで。
公式サイト<http://www.filmex.net/index-j2003.htm
元松竹で東京国際映画祭の「顔」でもあった市山尚三さん仕切りって触れ込みで戦々兢々と(?)始まったフィルメックスも、すっかり定着したようでなにより。ただ、堂々と新・作家主義がどうしたこうした、ってお題目をふりかざされると、ちと鼻白む面も。オレ自身、作家主義で映画を見ていたし、今も見ている面は多々あるけど、別に「信条」にしているわけではない。つうか、信奉すべきモノでは絶対にない、と思っている。「作家」でも「監督」でもいいが、映画はひとりのヴィジョンでつくられるモノではない。スタッフ・俳優を問わず、創り手全ての総意/創意の結集なわけで。むろん、監督の意志はそのなかでもかなり絶対的な地位を占めるわけだけどね。
今回は一覧したかぎり、個人的にはアモス・ギタイジョニー・トゥの新作くらいしかそそられるモノなし。ああ、マフマルバフの次女ハナちゃんの初監督作品ってのも見れたらネタにはなりそうだな。でも、しばらくは単純に映画に向けるカネも気力もすでになし、こういう映画祭って、今後行くコトはまずないだろうな。