『新・座頭市 III』第20話「祭りばやしに風車」


原作:子母沢寛
脚本:石田芳子、田中利世、奥村利夫
監督:田中徳三
音楽:村井邦彦
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
柿八:石橋蓮司
仙三:守田学哉
風次:兼松隆
弥助:高山彰
お里:萩尾みどり
ほか


仙三(守田学哉)一家の賭場で、座頭市勝新太郎)は、“鉄砲水の八”の異名を取る賭場荒らしの柿八(石橋蓮司)の傍若無人をたしなめ、野獣のキバをむき出して刃向かってくる柿八の手の指四本を、よんどころなく切り落とした。市は、仙三一家に襲われ、なぶり殺しにされかけた柿八の命を助けた。それから六年の歳月が流れた。市は、路傍で子供相手に風車を売る一人の露店商人に呼び止められた。柿八だった。市に意見されてやくざから足を洗い、恋女房のお里(萩尾みどり)と、今では貧しいながらもお天道様をまともに拝める堅気の暮らしの幸福を、しみじみとかみしめる柿八は、一度市に会い昔の礼がいいたいと思っていた。市は乞われるままに柿八の家に草鞋を脱いだ。市はちゃんとした家庭のある柿八がうらやましかった。よくぞ堅気におなりなすった。だが、長年の不健康な生活で、病魔が柿八の体をむしばんでいた。そこへ、柿八の昔の悪の仲間、風次(兼松隆)と弥助(高山彰)が、柿八を一味に引き入れようと、よからぬ話を持ち込んだ。相談を陰でこっそり小耳にはさんだ市は…。