『新・座頭市 III』第4話「あした斬る」


原作:子母沢寛
脚本:中岡京平、奥村利夫
監督:勝新太郎
音楽:村井邦彦
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
郷九郎:郷ひろみ
助蔵:本田博太郎
おきみ:桂木梨江
おひろ:飯島洋美
平吉:花房徹
とんびの松:朝比奈尚行
鬼面の源十:金子研二
ほか


道中ひょんなことから知り合った座頭市勝新太郎)と浪人彦坂郷九郎(郷ひろみ)のあいだに、男同士の奇妙な友情が生まれた。悪貸元鬼勘を斬り、市は一家に追われていた。鬼勘一家は兄弟分の鬼面の源十(金子研二)一家に泣きついた。源十が助っ人を引き受けたのは渡世の義理からではない。市を殺し、その勢いに乗じ鬼勘の縄張りを一気に奪う魂胆だ。子分のかかしの助蔵(本田博太郎)を指図する声にも自然に力が入る。市を殺せば恋人のおきみ(桂木梨江)と所帯を持たせてもらえるので、助蔵もいやが上にも張り切った。おきみは材木問屋「生駒屋」の女中だ。市は自殺をはかった「生駒屋」の一人娘おひろ(飯島洋美)を助けた。経済的には何不自由なかったが、父親は商売に忙しくてかまってくれず、母親のないおひろは家庭の愛情に飢えていて、家出・自殺未遂を繰り返し、その度におきみを手こずらせた。早熟なおひろは市に父と恋人のイメージをダブらせた。おひろになつかれ市にも父性愛のようなものが芽生えた。鬼面一家に多額の報酬を積まれて引き受けた仕事というのが、市を斬ることだと知り郷九郎は驚いた。“狂言”の相談がまとまった。河原での二人の対決…、郷九郎に斬られた市は水中にバッタリと倒れた。もちろん事前に打ち合わせたとおりの決死の大芝居だ。市が生きているのを知り烈火のごとく怒る源十は、おひろを人質に取った!