『新・座頭市 I』第27話「旅人の詩」

おにいちゃんことワカトミさん競演。昔、バラエティの歌番組でいきなり「座頭市」を唄ってみせてバカウケだったと山城新伍が書いているwそりゃ反則だよなぁ、つくづく。カツシンは子連れ狼のマネなんてたぶんやらなかったのでは。
勝プロ常連のレンジィのほか、天津敏、志賀勝と顔ぶれは東映臭(汗)

原作:子母沢寛
脚本:中村努
監督:勝新太郎
音楽:村井邦彦
撮影:渡辺貢
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
大前田英五郎:若山富三郎
お竹:佐藤オリエ
白金屋銀次郎:石橋蓮司
京屋 元蔵:天津敏
六兵衛:永井柳太郎
清松:志賀勝
和三郎:佐藤京一
医者:寺島雄作
百姓家の親爺:堀北幸
与作:谷崎弘一
ほか

ワカトミさんは幕末に実在した侠客、大前田英五郎役。いきなり「勝五郎、勝ちゃんと呼んでくんな」なんて言うのはワカトミさんの本名が「勝(まさる)」だからだろう。ちなみに、カツシンは「利夫」で、兄弟ふたり合わせて「勝利」となる。戦前らしいネーミングだったのね。
腕っぷしでも芸のうえでも終生、あのカツシンも頭があがらず、滅多なことでは喧嘩もしなかったというふたり。いつにも増して気合を入れて臨んだのか、殺陣にも鋭さがあったような。全体としてはワカトミさんを前面に押し出すぶん、ややおとなしめな風情も感じなくもないかも。
ワカトミさんも『子連れ狼』ほどではないが、豪快きわまりない殺陣を見せる。軽やかで鮮やかなカツシンと違い、刃の一振りが重いのにさらに速く、実際に首くらいすっとばしそうな迫力がある。やはり殺陣日本一(実質世界一)はワカトミさんだったんじゃないか。