『新・座頭市 I』第27話「旅人の詩」

原作:子母沢寛
脚本:中村努
監督:勝新太郎
音楽:村井邦彦
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
大前田英五郎:若山富三郎
お竹:佐藤オリエ
白金屋銀次郎:石橋蓮司
京屋 元蔵:天津敏
六兵衛:永井柳太郎
清松:志賀勝
和三郎:佐藤京一
医者:寺島雄作
百姓家の親爺:堀北幸
与作:谷崎弘一
ほか


道中の途中、座頭市勝新太郎)は突然一人のやくざから背中討に斬りつけられた。やむなく市はそのやくざを斬ったが、それをジーッと見ている男の気配を市は感じた。男の静かな呼吸に敵意はない。この男こそ関八州にその名も高き大親分大前田英五郎(若山富三郎)であった。二人は同じ方へ歩いていく。足が揃い肩が並んだ。互いの素性も知らぬ二人、ウマが合うのか一緒の道中が始まった。ある日、英五郎の子分の清松(志賀勝)と和三郎(佐藤京一)が英五郎に六兵衛(永井柳太郎)の悲報を届けた。英五郎は急ぎ足で去った。
 英五郎と別れた市は、病気で苦しむ旅の女を助けた。女は、英五郎の愛人お竹(佐藤オリエ)で、長い草鞋をはいている英五郎の行方を尋ねる途中であった。市に介抱されるお竹はやっと英五郎ともめぐり逢うが、二人の看病もむなしく息を引き取った。市と英五郎の間には男同士の奇妙な友情が芽生えた。
 市と英五郎は、英五郎が昔面倒を見た白金屋銀次郎(石橋蓮司)一家に草鞋を脱いだ。かつてのしまらない三下も今では二足の草鞋を履き、いっぱしの貸元におさまっていた。昔の恩も忘れて銀次郎は英五郎をだまし討ちにしようとする…。