加藤嘉『砂の器』

……だからさ、中居くんのTV版なんてオレなんざハナから見る気しないんだわ、マジ。いや、野村芳太郎のあのシャシンはさ、吉岡秀隆に見せたら泣いて死ぬくらい、もう涙腺刺激しまくりの全編これ演歌って世界よ? 原作は松本清張よ? じめじめじとじと、イヤぁな世界ですよ。でもね、犯罪の動機なんてどうでもいいんですよ。東北弁と似た訛りが島根の山奥にもありますた、なんて知らねぇよ、ンなこと! ナニ自慢してんだよセイチョー? 狩るぞゴルアッ! ってモンですよ。丹波哲郎がいくら大見得きって演説ぶとうが、ハッキリ云ってナンで緒方拳が死なないといけないのか、最後まで見てもよぅわかりませんよ、マジで。でもね、ンなことどうでもいいの。加藤剛の美男子ぶりだってどうでもいいの。
このシャシンはね、剛じゃないの。嘉(よし)なの。加藤嘉だけを見るの。お遍路さんの格好して、日本全国津々浦々、嘉が歩き回ってる姿を想像してごらんなさい。もうナミダナミダ、流れて鼻水ダラダラよ! おばちゃま、そう思うのよ!