栄養補給、続行中。

昼過ぎ、勢い込んでハローワークへ行くが、お役所関係ゆえ、日曜祭日は休みなのであった。なんでぇ、ちぇッ。
せっかく新宿まで出たので、ディスクユニオンタワーレコードを覗く。
●ララージ「flow goes THE UNIVERSE」(400円)
ウィム・メルテン「best of」(300円)
●細野春臣「HOSONO HOUSE」「銀河鉄道の夜

ララージとウィム・メルテンはユニオンのジャズ売り場で。いろんな意味で「ボーダーライン」なヤツなんで、音楽もそれ風なモノを聴き、買い漁る<シャレにならん
実際に音源が漁れないなら、せめて情報だけでも仕入れるべし、とディスクガイドも仕入れる。
ミュージック・マガジン増刊「アメリカン・ルーツ・ロック」「トロピカリア・ブラジレイラ」「ヴィヴァ! ボサノーヴァ」「ミュージック・DVD・マガジン」
全部ミュージック・マガジンの増刊なのは、本誌の愛読者なんで、執筆陣にも構成的にもなじみがあるからである。あとは、ブラック・ミュージック全般とブルーズのガイド本を揃えておきたいかなぁ。
ガイド本を読むと、世の中にはまだオレが聴いてない、知らない音楽やミュージシャンが腐るほどあるんだ! ってコトがわかって、顔がにたにたほころんでくる。オレは基本的にストレートなわかりやすいヤツなんだが、嗜好品に関しては倒錯的な快楽を求める癖があるらしい。
あ、そうだ。昔WAVEから出てたタルコフスキーのサントラコンピ作も欲しいんだよな。タルコフスキーの映画音楽「惑星ソラリス」「ストーカー」「鏡」SOLARIS, THE MIRROR, STALKER)』エドゥアルド・アルテミエフ(EDWARD ARTEMYEV)。現在はさすがに廃盤らしい。ちきしょ〜、買っておくべきだった。つうか、再発してくれ〜! 
あと、十年来探し続けていた『殺しの分け前/ポイント・ブランク』のジョニー・マンデルのサントラも今日初めて発見! しかし、3,200円と高いので見送った。

試聴はさほどせず。ボサノバ関連の名盤はいずれまとめ買いするつもり。新譜はビョークを聴いたが、相変わらず図抜けた音使いと圧倒的な表現力だね。気押される。ほかは……ピンとくるモノなし。
珍しくJ-POPコーナーでポラリスとか原田郁子とかタテタカコとか脈絡なしにチェックしてみたが、なんつうか、J-POPってジャンル問わず音作りが洋楽に比べて「薄手な」気がする。全体の音がダンゴ状態に重なりあいすぎというか、そのせいで音圧だけヤケにあげられてると単にうるさいだけとか、ドラムとベースの分離が悪いのか、低音部が特にモコモコと聴こえて、イライラしたりとか。そんなワケで、目の前で演奏してくれてるようなライヴ感覚には著しく欠けるモノが目立つような気がする。いかにも録音/ミックスしました、って感触が露骨だったりするんだな。
ハウス/テクノ以降の傾向かもしれないが、例えば、ポラリスとか、楽曲はともかく、鳴りがシャリシャリしすぎてて、物足りなさを覚えたり。音だけ聴いてると、なんだかプラスチックかじってるような味気なさを感じるのよ。ジャズでも、菊地成孔さんとかご同様(だからオレ的には音楽的な面白さ以前に、聴いてて疲れるから、ダメ)。ほかは……山本精一さんはファンなんで、ボア周辺も想い出波止場羅針盤も出たら必ず試聴してるが、こちらも音はいいとは思えないなぁ。演奏と音使いが圧倒的にオモロイので買いではあるんだが。
とにかく、音が薄いと、ハラにしみないんですよ、オレの場合。
このへん、かつて音楽関係の知人に質問したら、スタジオのつくりが全般に悪いせいと録音のノウハウが洋楽とは違うから、なんてアバウトに云われたけど、どうなんであろう。日本のほうが音響技術は優れているというではないか?
奥田民生あたりは意外や(?)、しっくりくる。リズムセクションはそれなりにビシッと決まってるような。レーベルゲートCD擁護発言で株を落としたけど、個人的にはあの男、「耳」は相当にイイように思うが、はたして? あ、スガシカオ、はたまたスネオヘアーもわりかしイイな。全部ボンクラ御用達アーティストやて? ほっとけ!
加工した音が嫌いなワケではない。ピーター・ガブリエルに始まるスティーヴ・リリィホワイトの一連の音作りとか好物だし、最近ではミッチェル・フルーム&チャド・ブレイク、はたまたリック・ルービンとかメジャーどこの音制作陣は、軒並み音をいじりまくってる。でも、その音のいじり方にも人肌を感じたりもするんだな。
洋楽ヲタゆえのJ-POPに対する偏見つうか、先入観は多少は否めないが、音の感触の違いというのは、味覚みたいなモンで変えようがないし、確信もあるからしょうがないんだよな。このヒトのプロデュース/エンジニアリングなら信頼できるって音に、邦楽でも巡り会いたいと思う。   


万事が万事古いモノ好きという物心ついてからの性向なんであきらめているのだが、最近とくに新譜の音を耳にすると、どうにも「重い」。聴いていて、疲れる。だから、リラックスできてしっくりいく旧譜ばかり聴いてしまう。
関係ないかもだが、システムエンジニアとロボット博士のダチふたりが云っていたコトを思い出す。

「(毎日マシン言語とにらめっこしてたりして疲れるから)寝る前やリラックスしたい時は、『重い』コトはできないんだよ。だから、小説とか評論も読めないんだよ。ネットやるか、マンガ読むのが一番いいんだ」

オレ自身は「疲れる」ような生活をしてないが、新展開へ向けてのプレッシャーだけは毎日感じている。「いま」の音、ナマな音である新譜がどうにも受け付けられないのはそのせいかもしれないな。現実を突き付けられる気がするのかも。