フランスVSギリシャ

タイトなマンマークで、多士済々/変幻自在なフランスの攻撃陣を完封したギリシャが、シンプルかつタフ、まさに質実剛健なサッカーを見せて、みごと勝利した。今朝ほど見せ場の少ない試合もなかったし、識者の方々の分析もかなり簡潔にまとめられるのではないか。
フランスの中心選手アンリ、ヴィエイラ、ピレスは所属チームのアーセナルで、全勝優勝というサッカー史に残る大快挙を成し遂げた。これほどの大記録を達成したあと、さらに大きな栄冠を獲得するというのは常識的に考えて至難の業。
反面、レアル・マドリーで不満の残るシーズンを過ごしたジダンだけはひとり気を吐いていた。クラブでシーズン中に完全燃焼すると、例年ならオフのハズの期間にある大会ではまず体力もモチベーションも維持することはできない。その「法則」がわかりやすい形であらわれたと見ていい。2年前の日韓W杯よりは地力を見せたものの、結局はその再現が展開された。加えて、かのゴールデンメンバーも盛りは過ぎた。終わってみれば、よくぞグループリーグを突破できたとほめるべきかもしれない。
ま、イングランドと同じく、固定メンバーの奮戦に頼り過ぎ、無為無策だったサンティニの采配にも責任があるとも言えようが、正直、ルイ・サアやゴヴ、ジュリ、ロタンといった新顔系をいくら投入しようが、今日のような八門封じられたかのごとき膠着状況を打破することはできなかっただろう。
ギリシャ、強し! さすがは<欧州の火薬庫>バルカンの礎たる国民、生れついてのそのタフな戦士魂、侮れぬ。それを束ねるはゲルマン魂の権化のような猛将軍ときた。ドイツ代表の新監督はヒッツフェルトらしいが、正直、レーハーゲルのほうが適任ではないか? そんな思いで試合を見終えた。