レインディア・ゲーム

TBSにて深夜2:20〜4:20放映。男気系職人監督ジョン・フランケンハイマー、最後の劇映画*1。主演はアル中のあげく、ケツ女(爆)ジェニファー・ロペスに食われてアホ面さらす便公もといベン・アフレック
脚本はテキトーにどんでんがえしやってみましたってだけのワヤな出来だし、演出もこの親爺にしちゃたるいし、出来はさして良くはねぇ。でも、ナンでもないローテクな小道具の使い方とか、いかにもB級サスペンス臭い手付きが微笑ましくて、オレは意外と好きだね。やっぱ悪役でござい、ゲーリーシニーズ旦那のいかにも関西仕事ノリな安〜い演技もイイじゃねぇか。
エラそうに文芸大作撮ったり大言壮語して白けさせるだけの大家ぶった監督より、オレは断然、最後までひたすら「職人」に徹した、フランケンハイマーって親爺を深く尊敬する。
「どーして『フレンチ・コネクション2』撮ったかって? ンなもん、オレがたまたまフランス語できるから、頼まれてやっただけのこった。つまんねーコト聞くんじゃねぇ、タコ!」(某氏に聞いた親爺の発言より、超意訳)
……こんな肚ァ据わった昔気質の親爺が、いまどこにいるってんだぃ? え? どいつもこいつも映画祭だナンだと、赤絨毯歩くだけで鼻の下伸ばす腰抜けに成り下がっちまいやがってよォ! シャシンなんてモンはな、ホコリまみれの撮影所、人気ねぇ裏通り、要は世間の片隅で、堅気の衆に迷惑かかんねぇようコソコソッと撮るだけの、しょせんはうしろ暗ェ代物よ。それをナンだ、カンヌだベネチアだ? 賞のひとつやふたつで格上げだ? けッ、臍が茶を湧かすたァこのことでィッ!
「オレたちヤクザはな、御法度の裏街道を歩く渡世なんだ。いわば天下の嫌われ者だ。それをてめえらは正々堂々、お天道様に大きな面ァ向けて、大手をふって歩いてやがる。この大バカ野郎ッ!」(『座頭市物語』より)
嗚呼、この世からカツドウヤも死して久しくなりにけり……
しかし一体トシ幾つなんだ、オレ?

*1:遺作は02年制作のTV映画『パス・トゥ・ウォー 戦争へと続く道』だったハズ。先日、WOWOWで放映したので、再放映を待とう。もともと親爺はTVディレクター出身、最後は原点に戻ったってこったな。