『サロメ。』

夕刻。銀座へ出てヘラルド試写室でサロメ。』を見る。スペインの名匠カルロス・サウラ監督の最新作だが、前作『タンゴ』といい、なにやらこの人、最近は舞踏やダンスを収録した映画専門になってきているような気配。
・『サロメ』公式サイト<http://www.herald-arthouse.com/salome/index.html
今さらだけど、「サロメ」ってエゲツない話ですよね。映画だと英国の変態大王ケン・ラッセルの監督版(『ケン・ラッセルサロメ』)を過去に見ましたけど、アレもいかにもな出来でしたな。
今回のは可もなく不可もなく、というか、文字どおり、<フラメンコ・バレエ>版「サロメ」を淡々と収録してるだけ、実にシンプルな内容構成だった。映画的にはもう一工夫欲しかったところだが、コレは欲張りというモンだろう。


とにもかくにも、徹頭徹尾、典型的な<ル・シネマ映画>。奥様方は大喜びだと思うわ、ほんに。
「素敵な踊りでざぁましたわねぇ〜」
「ホントざぁます。ね、ね、奥様、あのプリマの女性のスタイル、御覧になって?」
「豊かなお胸に、なんて細いお腰、お綺麗なおみ足! うらやましいざぁます」
「ヨーロッパのお人はやっぱり素敵ざぁますわねぇ。そこいくと、あたくしたちときたら……オホホホホ」
なぁんて、見終わった後、ロビーでさんざめく有閑マダムのたわ言が、今から耳に聞こえてきそうだぜ(<極度に悪意)。で、映画の後は、3、4人連れでお茶ついでにケーキつまんだりして、またブクブク肥るってわけ。ああ、ヤダヤダ。


……いや、内容自体はオレも楽しみましたよ。お金払っても見る価値はある出来ではないでしょうか。単に、オレはル・シネマみたく、雰囲気がタカビーなだけで中身ゼロな映画館でかかる映画にだけ、いそいそ見に行く客層が嫌いなだけです。上映状態とか最悪だし、ロクなコヤじゃねぇと思うけどね、ホント(怒)。なぁにが<文化村>だってんだ、けッ!


そういや、舞台だと、かつて身内のススメで、劇団ク・ナウカ版の『サロメ』を見に行ってます。ヒロインの美加理サンの妖艶さに、すっかりヤラレたのを覚えてます。舞台の女優さんとか全然知りませんが、この方だけは思い出すだに伏し拝みモノ。あの美しきお姿、また拝見したくなってきたなぁ。今度案内来たら行こうっと。
ところで、美加理サンって有名な方なのに、あまり写真は出回ってないみたいですね。検索したらなにやらインタビューが出てきたので、とりあえず張っておきます。名前、いきなり間違ってるけど(笑)、まぁ御愛嬌。
http://www.shiseido.co.jp/s0004hsm/html/index.htm