男気一代・笠智衆

夜はBS−2で小津安二郎『晩春』を作業&運動とかしながら見る。たぶん10年ぶりくらいに見返したが、原節子の美しさもさることながら、やはり野郎としては、ラスト、笠智衆さんが林檎の皮を果物ナイフで剥くシーンに尽きるかなと。ひと皮剥き終えたトコで、ふっと手を止めてうなだれる。何度見てもホロリ。
このシーンで小津は当初、笠さんに「号泣してほしい」と指示。だが、笠さんは、
「男子たる者、たとえ演技といえども、人前で涙なぞ見せるわけにはいきません!」
と、ガンとして拒否した……なんてエピソードがあるが、素晴らしいよね、うん。尊敬してやまない巨匠に唯一抵抗した事件とのこと。名優の毅然たる意志表示が、映画史に残る名場面を生んだ一コマであった。


ところで、映画の後のミニ番組でオードリー・ヘップバーン主演のティファニーで朝食をの紹介をしてたんだが、ココでいきなりオードリーが吹替で語る場面があって。もしや? と思わず耳をすませたら、聞こえてくるのはやはりアノ美声! 池田昌子サマではあ〜りませんか! アニヲタは銀河鉄道999』のメーテルだのエースをねらえ!』のお蝶夫人なんて言うかもしれんけど、ナ〜ニいってんだか、池田昌子サマと言えばオードリーなんだってば! ついでに『青い体験』ラウラ・アントネッリもアテてて、心ある男児なら萌え萌えなんだ、参ったかコノヤロー! ……なんて息巻くのはおバカな吹替ヲタです。ほっといたってぇな。