『座頭市物語』第6話「どしゃぶり」

成田三樹夫マカロニウエスタンの悪党ガンマン風に登場。

原作:子母沢寛
脚本:星川清司
監督:田中徳三
音楽:富田勲
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
おせい:朝丘雪路
空っ風:成田三樹夫
又蔵:長谷川明男
お光:平田澄子
梵天の安五郎:藤岡重慶
喜助:長谷川弘
文次:森章二
おとよ:石井富子
旅の男:笑福亭仁鶴
ほか


打ち続く不作で泣く泣く女郎に売られる恋人おせい(朝丘雪路)を、又蔵(長谷川明男)は涙ながらに見送った。それから五年。おせいは大酒飲みの女道中師に、又蔵は百姓娘をだましてはたたき売る女衒にと、かつての純情な百姓の恋人同士は、それぞれ人生の裏街道を行く浮世のあぶれ者に落ちぶれていた。一別以来、その二人が旅の空で再会する。又蔵は、百姓娘のお光(平田澄子)を、やくざ梵天の安五郎(藤岡重慶)が経営する女郎屋に売りに行く途中であった。あわれなお光に、おせいは五年前の自分を見る思いだった。おせいに説得され、又蔵は因果な人買い稼業から足を洗う決意をする。
 座頭市勝新太郎)が、「裏切り者!」と梵天一家に簀巻きにされる寸前の又蔵を救う。面目丸つぶれの梵天一家は、殺し屋“空っ風”(成田三樹夫)を雇った。“空っ風”とは、武士くずれの必殺の殺し屋。その冷酷無比は目下街道中に鳴りひびいている。ところで、市にはぜんぜん関知しないことであったが、おせいは、弟の敵と市をつけ狙っていた。女郎に売られた姉のおせいの身請けの金を稼ぐために、やくざの道に足を踏み入れたその弟を、市が斬ったというのである。
 おせいは、言葉巧みに市の大事な仕込み杖を奪う。いくら座頭市でも、杖がなければ牙をもがれた狼も同然である。そして…。