毎度タイムリーから対極にある、思いつきテキトーセレクションで迫る名台詞/名文句集。自分でもMacに向かうまでたいてい予想不能なんで、困る。
夜中、口さみしくなって、ふっと思い出したんです。半熟の目玉焼きに口つけて吸いまくる、どこか不安をさそうあのキャラクターを。
伊丹十三。『お葬式』『マルサの女』はそれなりに面白かったし評価もできるけど、結局このヒト、カントクよりも役者としての才能のほうが間違いなくあったと思う。何より、「存在感」が違った。
個人的には、若き日、一三と名乗っていた頃の増村保造監督作『偽大学生』の怪演が忘れがたい。あと、ガキの頃TVで見た『峠の群像』の吉良上野介、『春の波濤』の伊藤博文(松坂慶子を「水揚げ」する美味しい役!)とかも。ウチのオカンなぞはカツシンTVシリーズ初主演作『悪一代』(TBS)のおつむの弱い子分役がサイコーだった! とオレが生まれてこのかたずぅっと云い続けてるが、再放映されないのでよくわからん。時代劇専門チャンネルさん、何とかしてくれ*1。
夭折の巨匠たる亡父・万作の薫陶を受けることが少しでもできていれば、人生変わったかもね。
自殺直前、記者会見の席上でいきなり北野武作品の悪口を露骨に云ったりと、言動がやや不安定のきざしを見せる等、妙な「徴候」はあった。
悪いけど、奥さん・宮本信子は「さげまん」だったんだってこったな。あたら旦那の才能にすがりすぎたのではないか?*2
いずれにせよ、アレだけの才能の持ち主が、わざわざ死ぬコトはなかった。惜しむべき仁なり。