いきなりだが、ユセフ・ラティーフによるテーマ曲のカヴァー・ヴァージョンしか知らないなんて方にも、ぜひ一度はオリジナルを見て頂きたいかなと(汗)最近の映画ファンは新作と海外ドラマばっかチェックして、昔の洋画、ハリウッド往年の名作でも見てないんじゃないかと思うので。特にいわゆるサンダルもの、歴史大作ものね。
コレ、スタンリー・キューブリックの映画とよく紹介されるけど、やっぱり基本的にカーク・ダグラスの映画だと思う。キューブリック本人が自作と認めていないという以前に、ダグラスの当時のスターぶりを物語る一作なんじゃないかと。当時、まだB級映画しか撮ってなかったキューブリックをよくぞあれほどの超大作に起用したものだと感心するよりも驚く。本作撮影時の軋轢がもとで以後は仕事をしていないふたりだが、当時は仕事上の信頼関係はあったということだろうか。まぁ、どっちかというとお互いに利用しあった、というほうが正しそうでもあるんだけれども。キューブリックは本作なくしてその後のキャリアはなかっただろうし、ダグラス側からしても海千山千のスタジオディレクター*1より、新進気鋭の監督と組んだほうがコントロールしやすい、と踏んだのだろう。
そんなわけで、マッチョでタフガイ、しかも自らセックスマシーンと豪語するオレオレセレブ、カーク・ダグラスがほぼ全編出ずっぱりで暴走。おかげで鬼才キューブリックも奮戦むなしく、いまいち締まりのない冗漫な展開も目につくことになったが、前半の剣闘士養成所での迫真の肉弾死闘やクライマックス、大平原での合戦は大迫力! ジーン・シモンズとダグラスが残酷な最後の出会いを果たすラストシーンの悲壮感、アレを思い出すと、ユセフ・ラティーフの曲聴くだけで泣けてくる。
、、、まぁ、そこに至るまで、ダグラスとシモンズのデレデレ濡れ場に愁嘆場、それだけでもタルいのに女性層ウケ狙ってローレンス・オリヴィエとトニー・カーティスのホモホモ場面までツッコンでるのでどうしても冗長になってしまい、かったるいトコはあるけど、何とか最後まで見通して欲しいなと(笑)ラストだけ見るなんて反則しちゃダメよ♪
ちなみに、オレは1991年、東京国際映画祭で完全版上映を見ました。キューブリック作品は奴さんの死後も遺族が相変わらず権利関係を厳正管理してて、一部を除き旧作は上映もままならないようだが、いいかげん、年に1回はフィルムセンターでもどこでもいいから『2001年宇宙の旅』がワイドスクリーンで見られるようにして欲しいモンだ。それもできなきゃ、せめて吹替版*2の放映くらい認めろや! オレなんざ田舎育ちで乗り遅れたせいで『時計仕掛けのオレンジ』もスクリーンで見れなかったんだ、恨み骨髄だぜ!
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