船越英二『暖流』

鬼才・増村保造の監督第3作『暖流』(57年)から。故・根上淳が扮する、経営不振に陥った大病院の再建に全力投球する男と、彼を慕う看護婦と病院長の娘の三角関係を描く、ラヴ・ロマンス名作のリメイク。原作は岸田今日子の実父、劇作家・岸田国士。巨匠・吉村公三郎のオリジナルとは趣きが違う。増村は脚本家・白坂依志夫と組み、往年のスクリューボール・コメディ風に仕上げている。
なお、題名は、病院長のバカ息子に扮した船越英二が、劇中で何度か口ずさむ意味不明な唄の文句。
はもはも、めけめけ、ばっかやろ♪ はもはも、めけめけ、バカヤロッ……キミぃ〜、このセザンヌをどぉーう思うかねぇ〜?」
なんて続くのね、バッカでぇ〜(爆)
主人公にセザンヌの絵が欲しいから金よこせ、なんてタカるわけですわ。で、すげなく断られると、
「キミッ! コレは青酸カリだよ。僕、服むよ、自殺しちゃうよ!」
なんて騒ぐのね。早く死ねってんだ、もぅ。
コレ、ホントにホントのオレ最愛の映画。早くDVD化してくれ! まぁ、クレジットが「角川映画」となるのだけ萎えるんだが。