『華氏911』『スパイダーマン2』を見た。

詳しくはいずれ。
スパイダーマン2』は続編でありながら『1』を軽く上回るパワフル&ハイスピードな傑作になってた。コレはサム・ライミフリークのオレの予想(希望)どおり。<『死霊のはらわた』の法則>はライミにはしっかり生きていた!
華氏911』は……ドキュメンタリー映画としての「完成度」は『ボウリング・フォー・コロンバイン』のほうが上かも。ただし、世論を動かしうるナマものとしての迫真度では『ボウコロ』以上。アメリカの動向、いや、いま世界で起きているコトに興味があるなら、少なくとも11月2日、スーパーチューズデイまでに見ておきたい映画なのは間違いない。作品の出来/不出来、肯定/否定は見てから決めるべし。
……映画の力に圧倒された、とかじゃなく、「見てしまった」ことのショックから、まだ混乱しているように思う。
ただ、超個人的感慨だけ、殴り書き風に書かせてもらう。
アレを見て、しょせん別の国の他人事だとか、「ブッシュって意外とイイヤツじゃん!」なんて冗談でも思える方が、オレはつくづく……
うらやましい。マジ、本音だぜ。
オレは、憤激とも絶望ともつかぬ感情が押し寄せるあまり、始まってすぐに、スクリーンを切り裂きたくなったぜ。
内容的にはムーアの著書「おい、ブッシュ、世界を返せ!」の映像化プラス、日本のマスコミでは散発的ながら報道された米軍兵士とイラク人民の「実像」で、正直、日本の識者、いや、ニュースを真面目に見ている人間なら、おそらく衝撃の事実とは程遠い、既知の情報ばかりだ。
おさまらなかったのは、そんなことじゃない。
やり場のない怒り、ってヤツだ。
……オレは、映画でも、こんな陰惨きわまりない情景を見せられるために、生きてきたのか? ってコト。
そう、要するに、<セプテンバー11>当時の絶望が甦ったのだ。
ブッシュはタダの滑稽なあやつり人形だ、ネオコンは鬼畜だ、小泉は外道だ、マイケル・ムーアはしょせんデマゴーグだ……
そんなこと、聞きたくも、知りたくも、なかったんだよ!
ベタな物言いになるが、オレはこんなコトを知ってしまった、見ざる聞かざるができなかった、てめえの運命を恨み、憤る。
知るは、苦しみなり。
そして、この苦悩/苦闘は、おそらく生きているかぎり、つきまとう。
たまらないね。
でも、逃げることは、もはやできない。
そして人生は続く。
なお、マイケル・ムーアについては、ウチでは何度も触れている。手前味噌で恥ずかしいが、気が向かれたら、以下もどうぞ。
http://d.hatena.ne.jp/hibiky/20040629#p2
http://d.hatena.ne.jp/hibiky/20031225#p1
http://d.hatena.ne.jp/hibiky/20040523#p1