『大脱走』(8月14日深夜、フジテレビ放映版)

DVDも買ったし、放映されるたびにチェックしてるし、何度見てるかわからないけど、死ぬまで絶対1年に1回は見るんじゃないかな、この歴史的名作は。
今回の放映は終戦記念スペシャルというより、実質、フジテレビのお台場でやるイベント上映*1の宣伝番組だったらしい。なんと冒頭10分は全部宣伝に終始。視聴者ナメるんじゃねぇ! *2
本編が172分あるのに、放送時間は2時間半弱。トーゼン、ズタズタなカット版とはわかっていたが、一応録画してチェックした。確言は一切しないが、オレの「感触」では、DVD収録の初放映バージョンの短縮版ではなく、何度めかの再録音版だと思う。オリンピックをおさえられなかったんなら、3時間くらい放送枠とって、何年か前にテレビ東京で2週連続でやったほぼ完全バージョンを流してくれよ! まさかアレ、潰してないだろうな?
今回カットされた惜しい場面、いくつか。
★シャワー室でトンネル掘りにかかる場面:トンネル掘り名人、ダニー(チャールズ・ブロンソン大塚周夫)がゴリラな肉体に石鹸ゴシゴシ、横で剽軽者のセジウィックジェームズ・コバーン小林清志)が何喰わぬ顔でモップかけてるってサイコーな図が拝める。
ヒルツ(スティーヴ・マックイーン/宮部昭夫)がトンネル用の板集めに3段ベッドの横板を全部外してしまう。それに気付かず、入ってきたヒゲのおっさん、勢いよくベッドに飛び乗って転げ落ちる。
★視力喪失した偽造班のコリン(ドナルド・プレゼンス)。目が見えないのをごまかすため、ピンを部屋にあらかじめ置き、それを拾ってみせるという涙ぐましい偽装工作を図る。それを哀しい目で見つめるヘンドリー(ジェームズ・ガーナー家弓家正)。
★脱走決行も間近になって、突然パニック状態になるダニー。相棒のウィリーが必死でそれを制止する。
★その他、脱走の準備のさなか、捕虜たちが仕掛けるあの手この手の戦術が細かくカット。
一度見てる人間ならストーリーは何とかわかるようにはなっていたが、やっぱ、相当、無理ある展開になってたな。
それにしても、『大脱走』出演者も、いまやことごとく故人になった。メインで現役なのは、ロジャー・バートレット中隊長役のリチャード・アッテンボロー(声:宮川洋一)ジェームズ・ガーナーくらいか。味わい深き男どもの死ほど、惜しきものはなし。
……かくのごとく、コアな吹替ファンは、新聞雑誌のTV欄、□に「二」のマーク、二カ国語の印を絶対に見逃さない! 見る目も厳しい! イイかげんなカットをしたら、一発でわかるんだからな! わざわざ局に抗議までしないけど、ダメなら容赦なく、こうやってブログでさらすぞ! まぁ、視聴者なんておよびもつかぬ強大な権力持ってる番組編集屋さん(<あえて嫌味な言い方)にしてみれば、痛くも痒くもないんだろうけどな(嘆)。


*1:誰がリンクなんか張るか! ばーろー。お台場メディアージュは鬼畜・東宝直営のシネコンなんで、音響・映写状態もシネコン中ではかなり低レベル、かつサービスが勘違いまくり。空いててイイ、って話もあるけどな。オレはもう行かねぇよ。

*2:脱線ネタだが、昨晩の『ニュースJAPAN』もひどかった。日朝交渉を伝える場面で、拉致被害者家族のコメントが、外務省に肯定的な部分だけが抜きだされていた。フジテレビは日本テレビ以上にゴリゴリ保守系タカ派キー局だが、報道くらいは偏向せず、マトモにやれ。