ロシアVSポルトガル

ポルトガル、開幕戦とは違い、出だしから集中度と落ち着きが違った。フィーゴ、4日前の不調がウソのようなキレキレぶり。懸念されていたデコとのコンビネーションも問題なし。フィーゴのかき回しに翻弄されるように、ロシアは前半はずるずる後退一途。あっけなく走り込んできたマニチェに1点を奪取された。
ところが、それからはポルトガルも前試合のスペイン状態。攻め込みまくるものの追加点が奪えず。重鎮モストヴォイを追放してかえってまとまりができたようなロシア、カウンター一発攻撃を狙ってか、鳴りはひそめつつも不気味に音無しの構え。
ところが、そんな膠着状態を打破したのが、後半投入されたルイ・コスタ。一部、デコと動きが重なったりもしたものの、焦りの色なぞまるで見せず、冷静に、悠々と着実にボールをタメてはさばいて中盤を支配、徐々に前線へ緩急自在のキラーパスを送り込む。厳しい目で見れば、サイドアタックの数を減らしてしまい、攻撃をスピードダウンさせた観もあったかもだが、持ち前の技量をサラリと披露するその手並み(脚並み?)、堂々たるその雄姿、起きててよかった! と思わせるに充分であった。ロベルト・バッジョ引退後、真正ファンタジスタはもはやこの男しかおるまい! と伏し拝みたくなり。
終盤が近付き、フィーゴがスタンディング・オベイションで見送られ、前試合の主役クリスティアーノホナウドくん再登場。時間はややかかったが、ルイ・コスタ、一瞬の隙を見逃さず、スルーパスホナウドを左サイドにひらかせ、インタセプトされたボールを押し込んで見事追加点ゲット。歓喜を爆発させるでもなく、天をあおぎ見、腕グッとふりあげて会心のガッツポーズ。その姿、まさに天性の仕事師! 今日も朝も早よからイイものを見せていただきました。ありがとう、ルイ・コスタ
かくしてポルトガル快勝、彼らが息を吹き返したとなると、この組の動向も読めなくなってきた。ロシアは今日で敗退決定、となればギリシャ戦もおそらく敗色濃厚。ロシアが意地を見せないかぎり、ギリシャ1位通過の可能性大。とにかく、ポルトガルに敗北は許されないわけだが、次なるイベリア・ダービー、果たしてどうなるやら? 個人的にはギリシャがロシアに敗北しないかぎり、どうやらスペインとポルトガルのどちらかが早くも脱落決定となったので、かなり複雑な気分。そういう意味では、今日お目当てのルイ・コスタの雄姿は拝めたんで、主催国なのに気の毒ではあるが、スペインを応援することになりそう。まったく、ギリシャってのは大した伏兵だ。頑張りすぎやっちゅうねん、オレの周囲に漂う空気読めって(<無理)。