ギリシャVSスペイン

スペインはロシア戦以上と同じ布陣。モロ&ラウールの2トップが今回は格段に機能、機動力を増したサイドアタックで、終始ギリシャディフェンスに波状攻撃。前半にラウールとモロの見事なコンビネーションで1点先取。後半はエチェベリアに代わりホアキンが登場、素晴らしいスピードで斬り込みまくり。ところが、ふとした隙にディフェンスの裏を突かれ、あっけなくギリシャに同点にされてしまう。
スペインの薄い最終ラインが、ギリシャの底力に耐えきれなかったと評しようもあろうが、それはそれ。同点にされてからもずいぶん時間もあり、その後もチャンスは数多くあったのに、追加点がなかなか決まらないコトにただ憮然。
ホアキン投入後、モロからバレロン、ラウールからフェルナンド・トーレスと交代がなされたが、代わったふたりはうまくボールに絡めずじまい。フェルナンド・トーレスに至っては完全に消えていた。
やはり攻撃の柱はラウールあるのみ。イニャキ・サエス、システムにこだわって彼を外す戦略はちと間違いではなかったか? ポルトガル戦へ向けて温存を図ったと見てあげるには、ちょいと交代要員の動きがヌルすぎた。フェルナンド・トーレスバレロンはタイプ的に合わないのかも。あるいは、トーレスが若気のいたりでバレロンの狙いどおり動いてないせいか。
終わって思わず、「ちッちッちッちッちッちッ……」*1と舌打ち、額をぴしゃぴしゃ。
熱くなりすぎるゆえ、とどめをさしきれぬは、ラテン系ならではの五体流れる血液温度の高さゆえか? あるいは、柔道が永遠に日本人の国技であるがごとく、フットボールは発祥の地に生きる者、アングロ・サクソン系あるいはゲルマン系の「お家芸」ということなのであろうか? 今日までの全試合を見ていて、ふと、そんなスケールのでかいコトを思った。


*1:黒沢清監督&哀川翔主演『復讐 運命の訪問者』より、怪優・清水大敬の名演! 小生とは同門の大先輩にあたる、最も尊敬する脚本家・高橋洋の異形の描写が冴え渡る傑作。