ギバちゃんVS今井美樹@おもぽろ

BGMはマールタ・シェベスチェーンのベスト盤。オレの趣味は音楽も映画も男気系中心、要するに色気皆無なボンクラなわけだが、こんなヤツでも、たまにはうるわしき女性ボーカルで心癒されたいと思う時もあらぁな。
ところで、このベスト盤、マールタ・シェベスチェーンが主題歌を歌ったオスカー受賞作『イングリッシュ・ペイシェント』公開に合わせて発売されたモノ。同作よりも早く、マールタを劇中曲で使ったのは、誰あろう、スタジオジブリ高畑勲だ。

「百姓の音楽が好きなんです。オレ、百姓だから……」ギバちゃん柳葉敏郎)が今井美樹に言う。カーステレオから流れるバックミュージックは、ハンガリーの人気民族音楽グループ、マールタ・シェベスチェーン&ムジカーシュ。フジテレビのトレンディドラマのワンシーンではない。91年の大ヒット劇場アニメおもひでぽろぽろからのヒトコマだ。
高畑監督はサントラのライナーノーツで、実に詳細綿密に、選曲意図を説明している。少々長いので要約するが、いわく、
「トシオ(柳葉)が聴いているのは民謡でもいい。だが、それでは都会人のタエ子(今井)が抱いている“田舎はダサい”という偏見を吹き飛ばせないし、同じ偏見を抱いている観客を突き放すおそれがある。そこへいくと、東欧の音楽は西欧と東洋の文化圏の交差した地域に生まれたことにより、非常に折衷的な要素があって、かつ、踊りの輪でもできそうなあったかい音楽だ。“私たちの風土と、洋風生活を結ぶ接点”を描いた本作において、都会人・タエ子が農業青年・トシオを通じて、日本の田舎を見つめ直すシーンにふさわしい……」

うんぬん。どうです? さすが根っからの左翼活動家って感じでしょ?(笑)*1


おもひでぽろぽろ

おもひでぽろぽろ

ザ・ベスト・オブ・マールタ・シェベスチェーン?ザ・ヴォイス・オブ”イングリッシュ・ペイシェント”

ザ・ベスト・オブ・マールタ・シェベスチェーン?ザ・ヴォイス・オブ”イングリッシュ・ペイシェント”

ブルーズ・フォー・トランシルヴ

ブルーズ・フォー・トランシルヴ


*1:ソースは「スタジオジブリとなりの山田くん MY NEIGHBORS THE YAMADAS」(キネマ旬報社)に載ってたコラムより。