品川、高輪、六本木周辺

昨日分の日記を先に。
天高く真っ青な空広がる秋晴れ、いわゆる小春日和の陽気となったので外出。恒例の<バカ歩き>である。オレのひそかな趣味のひとつに、都内の坂や石段を踏破するというのがあり、本日はバカ歩きでは初見参となる品川駅周辺に赴く。いつもはいきあたりばったり、テキトーにあたりだけつけて歩き回るのだが、今回は朝日新聞で毎週月曜日に連載されてる<江戸の坂 歴史散歩>に書いてあったとおりに歩いてみた。
折悪く(?)今日は東京女子マラソン高橋尚子が出たせいもあって、品川駅前はいつも以上の人だかり。柘榴坂をあがって、高輪プリンスホテルの裏手をだらだら歩き、桂坂・洞坂とふらふらチェック。古い町並みのせいか、思っていた以上に細い路地がそこかしこにちょろちょろ散在していて興をそそる。
都営高輪アパート裏手の赤穂浪士切腹の地を見て、そして天然記念物の椎の木の胴回りのぶっとさに驚いてから伊皿子坂へ。
伊皿子坂を下ったところのマンションの地階には、かつて92〜93年の短期間ながら日本新党の事務所があった。アルバイトで一時通っていたので、よく覚えている。当時新人議員だった現・横浜市長中田宏と一緒にビラ配りもした。当時の中田はバイト仲間に4年生が多かったせいもあってか、「就職活動は全勝だった」とかオレたちの前で吹聴したりする、ハッキリ言ってイヤなヤツであった。その後現在に至るも何度か生でスピーチを聴く機会が多いが、相変わらずひどい軽薄な話ぶりでイライラさせられる。悪事を働く能もないかもしれんが、市長としての手腕にも個人的には一切期待できない、と断言しておく。うっかり読んでしまった支持者の方には悪いが、そういうコトだ。
……話が反れた。魚籃坂を下り、坂の途中の脇道から幽霊坂に出る。何軒もの寺と墓地に挟まれて、まさに名前のとおり、いかにも「出そうな」ロケーションの細い坂道。今日は真っ昼間だったので単に気持ちよかったが、雨の夜とかなら人魂が飛んでもおかしくないかも。
幽霊坂をあがると聖坂に出る。向かいの亀塚公園に入り、公園の隅にある塚もチェック。それから潮見坂・蛇坂・安全寺坂と回る。コレで大体当初予定していた坂は見終えたが、物足りず、慶應義塾大学裏の綱坂・神明坂と回る。
慶應はかつて(記念)受験したのだが、当然のように落ちた(笑)受験以来だからこの近辺に来たのは13年ぶりのコトとなる。綱坂は三井倶楽部の脇にあるのだが、旧財閥の往年の威光ふんぷんたる屋敷の側に慶應があるというのは、何ともキナ臭い。てめえがワセダ出だから余計反感(+ただのやっかみ)もあるのだが、福沢諭吉って人物は、結局、立身出世&現世利益追求型の「俗物」に過ぎなかったってコトか、などと漠然と思う。万札の顔になってるのを見るのも正直不快だ。
ふらふらするうちに麻布十番まで来てしまっていた。それまで人気ない閑静な通りを歩いていたのが、いきなりチャラチャラした若僧行き交う人込みにまぎれこんでしまったのでイライラの極致に。かつては閑散としていた旧・テレビ朝日の裏手も、なにやらでっかいショッピングモールができていて、うんざりする。まだ行ってないが、六本木ヒルズなんてロクなもんじゃねぇな、とひとりごちる。人込みを避けるように裏通りに急いで逃げ込み、個人的にはおなじみな丹波谷坂・寄席坂を登り下り、アークヒルズ前の歩道橋を渡って、六本木一丁目駅に出て帰ってきた。
今回のバカ歩きも、最後のツメで失敗。バカ歩きって呼んでるくらいだから、あてどなく歩くコト自体はイイんだが、てめえが不愉快になってはどうしようもないんだよな。