原作：子母沢寛
脚本：東條正年
監督：太田昭和
音楽：村井邦彦
制作：勝プロ／フジテレビ
座頭市：勝新太郎
難波儀衛門：財津一郎
定松：江木俊夫
おちょう：栗田ひろみ
勘八：潮健志
宍子の久蔵：早川雄三
安吉：唐沢民賢
豪兵衛：原聖四郎
しず：美川玲子
とき：泉春子
ほか
豪兵衛（原聖四郎）・とき（泉春子）夫婦、家つき娘の妻しず（美川玲子）の横暴にもじっとがまん、武士の家の婿養子の分際をよくわきまえ、“種馬”の悲哀にも涙をこらえて耐えてきた難波儀衛門（財津一郎）の忍耐が極限に達するときがきた。儀衛門は赤ん坊の長太郎を連れて家出を決行。おとなしい婿養子の予期せぬ造反に留守宅では大慌て。大切な嫡男にもしものことがあっては、家名断絶の大事にもなりかねない。仲間の勘八（潮健志）が赤ん坊捜しに出発。ところが忠義づらをしてやくざ上がりの勘八はとんだ食わせ者。やくざ宍子の久蔵（早川雄三）一家の代貸し安吉（唐沢民賢）と組んで、罪のない赤ん坊をタネにゆすりを計画。
座頭市（勝新太郎）は、道中、儀衛門と道連れになった。お乳欲しがる長太郎に背中で火がついたように泣かれると、大の男の儀衛門のほうが泣きたいくらい。子守唄など苦手な市だが、見るに見かね、おむつの世話やら何やら、なれぬ手つきで育児の手伝い。そんな時、長太郎が高熱を出した。薬礼の捻出に宍子一家の賭場に上がった市は、勝ちまくった。おまけにいかさまを見破られて久蔵はカリカリ、キリキリ。宍子一家は用心棒の浪人を雇う。それが何と儀衛門。儀衛門は、斬らねばならぬ相手というのが、あんまで居合抜きの達人で、関八州を荒らし回る極悪人というのが、市だとは夢にも知らない。一方、市の看護のかいあって元気になった天使のようないたいけな赤ん坊には、勘八、安吉らの魔手が迫る。そして、横合いからは予期せぬとんびが目を光らせる。農業を嫌い、目的もなく村を飛び出してきたものの路銀を使い果たし、世間のあぶれ者になりかかっている定松（江木俊夫）・おちょう（栗田ひろみ）の無軌道な若い恋人同士は、赤ん坊で一儲けを企む…。
