<他人様の庭>では、時と場合により、議論も好ましからず。

「旅籠と申しても、代銀を払うて借りた以上、この一室は畢竟、わたしにとってわが城であり、館である……不浄役人が立ち入って改めるからには、それなりの覚悟がある筈。それを聞いておる!」
from拝一刀「子連れ狼」『あんにゃとあねま』

コレはルールというよりマナー、それもやや厳しすぎる、個人的な「いましめ」でしかないかもしれませんが、いちおう書いてみます。
私はネット巡回していて、個人的に納得がいかぬ記事を見つけた場合、自分自身や直接の知人友人に関することでないかぎり、いきなり、議論なり反論なりを持ちかけるような書き込みはしないようにしております。<はてな>の場合、最近は見よう見まねでトラックバックしたりして、ココ、自分のブログにて個人的意見をつらつら書き連ねたりします。
先日も少しばかり書いたことのくりかえしになりますが、私はネット上でのコミュニケーションは、基本的には情報交換(ひと昔前までは考えられなかったコトで、コレはありがたい!)なり、ちょっとした「思いやり」(?)のやりとり以上のコトは期待しないようにしています。実生活をネット上に移せるわけもなし、あまり依存しすぎても仕方ないと思うので。
例外的に、ネット上でお知り合いになれた方でも、直接、お会いできた場合、先方にお許し頂ける範囲内でのみ、議論というか、個人的意見なりを吐かせていただいたり、「腹を割った」話もさせて頂いたりします。もちろん、その場合も、少しでも「失礼」なぞなきよう、心配りしているつもりです……なかなか守るコトができていないようなので、いまだ後悔と反省の毎日なのですが。
親しい親友同士でも、意見の食い違いというのはあるものです。議論というのはまこと、難しい。酒席での無礼講な会話でも、実のところ、最低限の「わきまえ」が要求されるように、顔をあわせるわけでもない、見知らぬ人同士として出会ってしまうネット上なら、さらにまた違うマナーが要求されるのではないでしょうか? 
電車やバスに乗り合わせた時のコトを想定していただければわかりやすいかもしれません。旅先では特に、人恋しさつのるあまり、隣席の方に話しかけたりしますが(……しませんか? まぁ、したとしましょう)、その際は見知らぬ者同士、まずは礼儀をわきまえて、会話をはじめるものです。
ネット上も右に同じ、ウェブという大海上に旅に出て、たまたま見つけた<島>、個人サイトなりブログなりに立ち寄らせて頂くわけです。それ相応の「仁義」なり挨拶の仕方なりってモノがあるわけです。忘れられがちなんですけどね。オレも笑って見逃したり、流したりしてますし。
忘れてはならないのは、すべからく個人サイト&ブログは、管理者個人の<庭>であり、<城>であるってコトです。
いきなり自宅訪問されて、「あの〜、貴方のアレは、そもそも間違ってると思うんですが……」なんて云われても、それが初対面や<通りすがり>の方だと面喰らいますよね? ネット上でも同じなのです。
(もちろん、誤植等、明らかな記述ミス、勘違いの場合、御指摘頂いたほうがありがたいわけですが)
「『社会の窓』が開いてますよ」なんて注意なら、公衆道徳上、ありがたいです。しかし、いくら声高にしゃべっているのが不快だからといって、他人の家に怒鳴り込むなり、いきなり苦情を申し立てても、先方は云うことを聞いてくれません。残念ながら、そこは<他人の家>ですから。もちろん、いかにおのれの<家>だろうが、<城>だろうがわきまえるべきマナーはトーゼン、あります。しかし、それは家の住人各人が個人的に守るべきコトであり、他人に害を及ぼしていないかぎり、余人の関与すべきモノではありません。*1
最近は、「直接、顔を合わせないほうが云いたいことを言えるから」という理由で、チャットや掲示板を利用する若い世代もいるようですが、私はすでにボンクラ三十男、そんな思い切った、おそろしいコトはできません。
ビートたけしも今週の「週刊ポスト」で云ってたけどさ、ネットは18禁にでもしたほうがいいかもよ、マジで。子供ほど残酷で、タチ悪いことにヒマな人種もいないんだからして。
今日のネット標語。
「毎日まいにち、いつでもどこででも誰とでも、ルールとマナーは守ろうね、楽しく愉しくたのしくね♪」
……なかなか難しいんだけどな、これが(嘆)。


*1:ちなみに、私はよく一部映画人の批判意見なり悪口を書いています。ココは<オレの庭>なので勝手きまま云っているわけですが、批判された相手にとっては悪口の言われ損で、被害を与えているかもしれません。その点は重々、承知の上、無視したり、話題にしないより、するほうがマシだろうというコトで書いていたりします。読む人によっては、名誉毀損スレスレなコトを書いてしまったりするかもしれません。そういう危険性を踏まえて、発言はしていかねばならない、とは常々考えてはおります。そう言っている先から筆が滑りにすべり、困っているのですが(苦笑)